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弁護士法人 白浜法律事務所

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2012/05/31

法科大学院への入学者数の推移

文科省の中に中央教育審議会というものがあり、その中には、法科大学院特別委員会というものがある。
昨年の平成23年6月2日にも開催されており、その際に公表されたものが、法科大学院入学者選抜実施状況というものだ。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/012/siryo/__icsFiles/afieldfile/2011/06/15/1306830_10.pdf
これによると、法科大学院の入学者総数は、平成21年度が4,844名だったものが、平成22年度には4,122名、平成23年度は3,620名となっている。この減少傾向であれば、平成24年度は3千名を下回っているのではないかとの推測が成り立つことになる。
ただ、法科大学院への入学者が3千名を下回るということであれば、司法試験の合格者数の目標値として法科大学院側が指摘している3千名よりも少ないということとなる。こんなことがしばらく続けば、司法試験は全員合格する資格試験となってしまうことになりかねない。合格率が低いことを問題とする人もおられるが、全員合格ということとなれば、もはや資格試験ではないということになってしまうように思えてならない。
上記の特別委員会は、今年は、平成24年5月24日に開催されているはずなので、資料の公開が望まれるところである。今や社会の関心事となっていることなので、早期に公表していただきたいものである。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/kaisai/1321380.htm

2012/05/22

新人弁護士の年収は異常な下落傾向に

弁護士が激増しても、競争による淘汰に任せればよいなどと気楽な発言をされる方がおられるようですが、今現実に起こっているのは、競争などではありません。競争は、同じ条件で行われる必要がありますが、新人弁護士は働く場所の確保すら難しい状態に置かれていますから、新規参入者たる新人弁護士は競争できるようなステージに立つことすらできないし、運良く立てたとしても、極めて不利な状況に置かれてしまっています。ベテラン弁護士が、新人との競争に負けてステージから敗退するというようなことは、机の上の議論であって、実際には格差が広がるばかりと言っても言い過ぎではないように思います。今の激増政策は、新規参入者いじめ以外の何物でもないと思うのです。
最も際立っているのが、新人弁護士の初任給の異常な下落です。
自由と正義の5月号は、新63期の就職状況に関する特集号ですが、これによれば、今や年収が500万円に満たない新人弁護士が急増していることがわかります。すなわち、年収が500万円以下の弁護士の割合は、以下のとおり、急上昇しています。このような急上昇は、他の業種ではみられないはずであり、その異常さは明らかだと思います。特に62期から63期にかけての変動は倍増に近い極めて異常な数値となっています。
     59期    7.6%
   現60期  14.8%
   新60期  15.4%
   現61期   24.0%
   新61期  20.8%
   現62期  25.2%
   新62期  27.6%
   現63期  47.6%
上の数値の並び方は、時間順になっていますので、わかりにくいかも知れません。少し説明しますと、新は基本的には法科大学院を卒業した人が多い期で、現は法科大学院の卒業生ではなく旧試験を受けた人が主に修習している期です。傾向が若干違いますから、以下のように整理した方がわかりやすいかも知れません。
     59期   7.6%  現60期  14.8%
   新60期   15.4% 現61期  24.0%
   新61期  20.8%  現62期  25.2%
   新62期  27.6%  現63期  47.6%
ちなみに、これは、500万円以下の総計です。300万円以下という人の割合は、新62期までは2%に満たないような数字だったものが、現63期は6.6%まで上昇していますし、300万円から400万円以下も13.1%となっているなど、年収500万円以下の人の中でも下の水準への移動が同時並行的に進んでいます。しかも、注意を要するのは、これが現63期、つまり2年前の数値ということです。需給バランスが完全に崩れている以上、1年毎に状況が悪化することになるのは、経済原理上の必然ですから、今年は更に状況は悪くなっていますし、同じような需給バランスが続く限り、来年は更に悪くなるということが続くことは必至です。
ところで、新63期からは、なぜか、統計の常識から外れたようなことが行われて、500万円以下という枠がなくなってしまったので、62期と63期以降との比較は難しくなってしまいました。新63期は、480万円以下という枠ができて、これの比率が全体で37.1%となっています。現63期の500万円以下が47.6%となっていることと比較すると、かなり改善されたように思われるかも知れませんが、現ではなく同じく新修習である新62期の27.6%と比較すると10ポイントの悪化ということになります。実際、私の周囲の話からすると、ノキ弁やノキ弁同様の給与で事務所に置いてもらう人がかなり増えてきているようですから、弁護士の初任給平均は、かなり悪化しているのではないかと思います。
例えば、年収単位で300万円台となると、大学院などいかずに大卒として企業に就職した方がましということになりますから、なぜ、時間や学費をかけて法科大学院で勉強しなければならないのだろうかということになってしまうのではないかと思います。法曹養成制度の破綻は誰の目からみても明らかになってきているのではないでしょうか。

2012/05/20

サマクラなるものをやってみる

大手の事務所では、サマークラークなるものを開いていて、新人の発掘に使っているということです。司法試験による最低限の品質確保に期待できない以上、採用する側が選別を慎重にしないといけないということになるわけですから、大手事務所が熱心になるのは至極当然のことでしょう。
ただ、大手しかやっていないということですと、弁護士というものの実態を間違って理解する人もでてくるかも知れませんので、うちの事務所でも、やってみることにしました。うちの事務所では、渉外事件はほとんどありませんが(たまに英語が絡んだ事件はあっても、自前の処理はせずに、他の事務所に回しています。)、一般民事事件だけでなく、企業の契約書チェックや破産事件、家事事件、刑事事件まで種々雑多な事件を同時並行的に処理しています。これは、日本の平均的な弁護士事務所だと思いますので、そんな弁護士の実態をぜひみてもらいたいと思います。
実は、3年前、うちの事務所でも一度サマークラークをやってみたのですが、そのときは採用に至りませんでした。今年の65期からの採用予定はありませんが、66期にいい人がいれば採用できるようになれたらと思っています。
なお、サマークラークだけで採用する人を絞るつもりは毛頭ありません。沢山青田買いして、事務所内で競わせるような事務所ではありませんし、うちの事務所であれば、66期生の方と実際にお会いできる機会は、サマクラ以外でも沢山あると思っていますので、そのような巡り会いを大事にしたいと思っているからです。そういうわけで、サマクラは、あくまでも出会いの機会の拡大と考えています。
PS:京都弁護士会の若手の先生が、タマクラなるものを開いているそうです。修習生を対象とする、先輩法曹を講師にしたような勉強会らしいのですが、タマゴの養成ということで、サマクラをもじって、命名されたということでした。法曹養成が、沢山の人のボランティアに支えられているということを実感できるエピソードでした。

2012/05/16

弁護士をやめる人が増えているということ

2010年7月に弁護士になっても廃業する人が増えていることを書きました。その後、2010年12月にも、年間200人が廃業することが定着したことを指摘させていただいております。
今年も、自由と正義に掲載された請求退会者の数を整理しているのですが、5月号の数字を入力した段階で、2012年1月から5月号までの請求退会者数が105名となり、昨年同月が77名だったことと比較すると36%も増加し、過去最高だった2010年5月号までの80名よりも25名も多くなりました。つまり、今年に入ってから、請求退会者数は増加傾向が顕著ということになっています。このまま推移しますと、今年は、300名近くが退会するということになってもおかしくないようです。ちなみに、3万番以上の方の退会者は1月号から5月号までで58名となり、昨年同月号までの数値が37名であったことを考えると、退会者の増加は、若い番号の方が増えているということも言えるようです。
若い番号の人の退会が増えていることを裏づける数字が自由と正義に掲載されていました。すなわち、自由と正義5月号には、60期と61期の4か月後の登録数が掲載されています。これによりますと、60期は、登録可能となってから4か月で現行が1,262名、新が859名で合計で2,121名となります(集計日が同時期にはならないので合計の数字はあくまでも計算上の数値ということになります。)。61期は、同じく現行が558名で、新が1,554名ですから、合計で2,112名となります。62期と63期は、12か月後の数字がでていますが、62期は現行が322名で新が1,801名で合計2,123名、63期は現行が179名で新が1,747名で合計1,926名となります。
ところが、本日(2012年5月16日)現在で日弁連の会員情報検索で集計してみると、60期は2,095名、61期は2,121名、62期は2,103名、63期は1,923名となっています。理論上の数値ではありますが、以下のとおり、61期を除けば、各期で減少傾向があるということがわかります。61期だけがなぜ未だに登録者が増えているのかはよくわかりませんが、60期と62期の減少数からすると、登録可能な日から12か月ぐらいまでは何とか登録者数が増えたとしても、その後は次第に減っていくということになる傾向がでてきているということは言えるように思います。なお、61期ぐらいまでは4か月ぐらいで登録できる人の97%ほどが登録できたようですが、62期以降は、同じ数字に達するまでには12か月ぐらいはかかるということになっていて、この傾向は次第に悪くなってきているということも言えるようです。
  60期 2,121名 → 2,095名
  61期 2,112名 → 2,121名
  62期 2,121名 → 2,103名
  63期 1,926名 → 1,923名

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