白浜の思いつき

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  2013年2月

2013年02月26日

弁護士としての登録時期のことなど


 久しぶりのブログです。最近忙しくて、余裕がありませんでした。申し訳ありません。

 さて、最近の弁護士ブログでは、法科大学院への進学をしないように呼びかけるものが増えているように感じていますが、身近に修習生をみている限り、同感せざるを得ないのが、今の弁護士業界の実情のように思います。これに対し、法科大学院の経営側の利益を代弁するジュリナビというところでは、就職難が事実ではないかのごとき、論陣を張っています。どちらが正しいかということは、今の修習生が一番よくわかっていることだと思いますが、実際に司法試験に合格してから現実を思い知るようなことでは、それまで費やした時間やお金を考えると、かわいそうだと思います。ジュリナビを作成している人は、それなりの給与ももらって安定した生活をされているのかも知れませんが、若い人が人生選択を誤るような無責任な説明をすることは人としてやってはいけないことではないかと思います。

 ジュリナビが問題としているのは、一括登録時点での弁護士の登録数よりも、1月になってからの登録数が増えているということのようです。しかし、これは、12月の登録が月末付近となって、その間の弁護士会費などの負担を考えると、1月登録した方がコスト的に有利ということから12月登録が減っているというだけのことです。言い換えると、すぐにでも登録して働いてほしいというような要求よりも、年末に1週間程度働くような人に1月分の弁護士会費を払うというコストの方が重視されているということですから、それだけ、弁護士業界がしょぼくなっているということの現れでもあります。いずれにしても、年末の12月20日頃に就職させるというようなことは、日本社会の常識からすれば、ナンセンスなシステムです。一般就職も視野に入れた場合、4月初旬に就職できるようにすることがいいに決まっています。今や、弁護士資格の価値が暴落している上、二回試験合格者は年齢も高いわけですから、中途採用しかも年末就職を強いられるということは、一般的な新卒者と比較すると、かなり不利と言うことになってしまっています。これは、司法試験の受験資格を法科大学院卒業としたために、卒業後にようやく試験の受験申込ができて、秋口にようやく合否が発表されるという条件の下で、無職者の立場から早く解放して、司法修習生という資格だけは与えるというためにそうなっているわけで、受験生や採用する側のことは無視されていることになります。できるだけ早く無職者から解放するという点では研修所の方が少しは合格者に優しいと言えるかも知れないようなところでしたが、貸与制が導入されたことで、修習生は、有職者ですらなくなってしまい、更に困窮化が加速されてしまっています。法科大学院卒業を司法試験の受験資格としていることは、このような観点からも改めて、少なくとも二回試験合格者が4月就職できるようにする必要があります。

 ところで、ジュリナビが言うように、弁護士になる人は、一括登録時点だけでなく、少し時間をおいてみた場合には、徐々に増えるということは、この数年でも裏づけられてはいます。しかし、1年ほどしてからは、登録者は、徐々に減っていくということもまた事実です。私が調査した限り、60期の弁護士(現行と新を合わせた数字)は、2012年5月21日(これは、私が初めてチェックした日です。)には2,094名いたのに、今(2013年2月26日現在)では2,068名となっています。61期は、同じ日に2,121名いたのに、今では、2,106名となっています。62期は、2012年3月30日に2,108名いたのに、今では2,092名となっています。63期は、2012年4月30日に1,925名いたのに、今では1,912名となっています。64期は、2012年8月25日に1,904名となってから減ったり増えたりを繰り返し、今年2月になってからようやく1,924名となっています。以上のことについては、私の2012年9月4日のブログも参考にしていただければと思います。上記の数字の中では特に63期の数からも明らかなように、弁護士になることができるようになってから1年ぐらいを過ぎると、ピークを過ぎて、弁護士をやめる人がでてきているということです。これは、実際に弁護士になってから、他の道への転職をしている人もいるということでしょうし、企業に就職してから弁護士登録が意味がないということで登録を取り消した人もいるのかも知れません。しかし、働き始めてからの転職ということは、かなりの負担だと思います。このことを軽く考えることは、学生から授業料などをもらっている法科大学院側には許されないことではないかと思います。ジュリナビには、法科大学院を目指そうとしている人が人生選択を誤ることのないよう、より正確な情報を提供するようにされることを望みます。