白浜の思いつき

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  2015年3月

2015年03月22日

弁護士の不祥事をなくすためには


弁護士は信用第一の仕事です。その信用として最も大事なことは、弁護士は他人の資産を預かることが多いということです。この点、預かり金に手をつけても多くの仕事があった時代は報酬で穴埋めできたというようなことは、弁護士として絶対に公言してはならないことです。将来の報酬で確実に補填ができたとしても、預かり金を事務所の運転資金や生活費に充てるということは横領として犯罪に問われる違法行為です。全ての弁護士は、預かり金を厳しく管理することが求められていますし、実際にきちんと管理をしているはずです。預かり金の管理ができていないような弁護士は即刻弁護士をやめるべきです。

ただ、残念ながら、弁護士の不祥事は増えてきているようです。各地の弁護士会では、昔から不祥事には厳しく対応していますが、最近ではその兆しをできるだけ早くキャッチし、早期の対応をするという対策を検討し始めています。つまり、この不祥事対策は、上記のような犯罪行為に至る前の段階で、弁護士が倫理観を維持し社会的に不祥事と非難されるようなことにならないようにすることに主眼が置かれるべきこととなります。これは制度的な問題であって、叱咤激励すれば達成できるようなことではなく、不祥事の発生を防止する仕組みをどう構築するかという問題です。

ところが、最近では、競争が厳しくなってきたということで、不祥事を起こさないように、「若いうちから老後資金をためておくようにしよう」という意識改革を訴える考えも提唱されているようですが、これは、別に弁護士でなくても誰でもそう思うことであって、弁護士にだけ指摘されることではないように思います。むしろ、司法修習の貸与制や法科大学院の学費の負担などで沢山の負債を抱えてから弁護士になったような人にこのようなアドバイスをすることは、無用な反感を買うのではないかと思えてなりません。

4月からは会長としてこの問題にも取り組まねばなりませんが、会長としてできることは限られているなということを実感しています。最も厳しい状況に置かれている若手の支援のためには、会費の減額が即効的でしょうが、会費の減額をするためには支出を抑えねばなりません。ところが、弁護士会の支出のほとんどは人件費や相談日当などの固定費ですから、支出を抑制するとしても余裕はほとんどありません。他方で、法律相談などによる収入の増加の試みはこれまで長年にわたって努力されてきたことですから、画期的な方法があるというわけでもありません。では、若手に仕事を増やすようなことができるかということですが、これも長年スローガンとして叫ばれてきたことであって、今のご時世で高収入となる仕事を若手会員のために沢山増やすことは厳しいと思います。仕事が増えるようにする法律や制度の改正の問題など長期的な改革に取り組むしか方法はありません。

となりますと、やはり弁護士人口の急増の抑制が次世代の方々への支援としては最も即効的で効果の高い方策ということになります。但し、弁護士人口の急増の抑制を会長として訴えることに対しては、これまで日弁連は弁護士を増やせと言っていたではないかと世間から批判を受けることであるとの自覚をもって動かねばならないことだと認識しています。しかし、批判や非難を受けても、会員のためを思って動くことが会長としての仕事なんだろうと思って私なりの努力をしてみたいと思っています。ご理解いただければ幸いです。