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弁護士法人 白浜法律事務所

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白浜の思いつき
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2008/08/29

京都市の景観政策は、京都市内の建築業者に打撃を与えているというデータ

京都市の景観政策は、建築基準法改正に伴う国土交通省の失策によって建築申請が全国的に滞ってしまったことやサブプライムローン問題に伴う不動産投資の冷え込みに隠れて、その政策の影響が見えにくいのですが、日本銀行京都支店が発表している統計データによると、京都の新設住宅着工戸数が他の地域と比較して激減していることが明らかになっています。残念ながら、京都市内に限った統計データはないのですが、京都府内の新設住宅着工戸数は、下記のとおり、平成19年9月に新景観政策が実施される前の同年4~6月のそれがが全国平均を上回っていたものが、同年7~9月からは、最新の統計データである2008年4~6月まで全て全国平均を大きく下回っています。京都府に占める京都市の経済力を考えると、この数値は、京都市の政策が影響しているとしか考えられないと思います。また、日銀京都支店の統計データは、滋賀県のデータも示してくれているので参考になるのですが、この滋賀県のデータは、全国平均を上回っているときがかなりあります。滋賀県のうち人口が集中している地域が京都市に近接した地域であり、経済的には京都市に強く結びついていることを考えると、滋賀県のデータは、京都市内の住宅着工戸数に異常なデータがでていることを強く推定させるものと思われます。当然ながら、京都市は、建築確認を管理しているわけですから、京都市内の住宅着工戸数を正確に把握しているはずあので、住宅着工がどのような数字で推移しているのか、市民に開示する義務があるものと思います。
 ちなみに、このデータの出所である日銀京都支店のHPは、  http://www3.boj.or.jp/kyoto/data/data.htmです。
 実際、府宅地建物取引業協会の緊急アンケートでも860業者(京都市内729)が回答し、京都市内の業者の75%が新景観政策の影響が出ていると答えているそうです。
http://mainichi.jp/area/kyoto/archive/news/2008/08/02/
20080802ddlk26040636000c.html
 建築業者の倒産が増えているという話も聞きます。地元の業者が一番の被害者となっています。建築業者だけでなく、建築に伴う大幅なコスト増は市民生活に直接に打撃を与えています。
 不動産価格の落ち込みにも厳しいものがあるようです。この統計データはまだ登場してきませんが、これは、年に2回しかデータが公表されないことによるものです。しかし、下落のデータが出てくる頃に対策を講じても、遅いのです。デフレからの脱却に、市民や企業がどれだけの苦労をしてきたのかということを思うと、京都市の無責任な政策には怒りを覚えざるを得ません。
※ 知り合いの不動産鑑定士の話によると、京都市中心部の不動産価格の急上昇については、路線価等に反映されないまま、下落に転じてしまったことになるようです。
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