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弁護士法人 白浜法律事務所

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2018/10/09

志願者の減少の理由を受験制度だけに求めることでは問題は改善しないのでは?

法科大学院の修了まで6年かかることが受験生の負担となっていることが法科大学院の志願者の減少につながっているということで、期間を短縮してはどうかという改革案がでてきているそうです。

これは、それだけを取り出せば、確かに志願者を減らしている原因の一つではあるとは思います。しかし、旧試験の時代は、長期間の受験を続けながらも、司法試験を受験しようとした人達が沢山いたことを考えると、法科大学院卒業までに6年かかることが志願者の減少の主たる原因ではないことは明らかでしょう。

法律の勉強をした者の経験からしますと、法律の勉強には6年ぐらいかけなければ正確な知識が習得できないし、法的な思考力は身につかないという考えもあるように思います。逆に言えば、「司法試験の受験資格の取得には努力は不要です、簡単に受験資格は得られますよ」とすることを果たして国民が望んでいるのかという視点も必要なように思います。できるだけ優秀で法律の知識も豊富ないい弁護士に依頼したいという需要が高いことは、私自身の経験からもそう感じています。

また、受験制度を変えて楽にしてやれば受験生が増えるかというと、そうではないと思います。うちの大学は簡単に卒業できますよというようなシステムを採用した大学に学生が集まっているというようなことは聞いたことがないように思うのです。

このブログで何度も指摘していることですが、法科大学院の志願者が激減しているのは、司法試験が就職のための資格試験であるのに、その合格によって、将来も安定した仕事に就くことができるかという点に不安が生じていることが主因だと思います。このことは、率直に認めた上で、この需給バランスの改善を先に実施するということが第一ではないかと思います。現に、合格者を1500人に削減したことで弁護士の就職難にはかなり改善の傾向がでてきています。ただ、需給関係の改善をするのであれば、1度1000人以下にしてみるなど、もっと明確な形でわかりやすく世間に示すことが大事だと私は思います。

また、法科大学院の卒業を司法試験の基本的な受験資格要件としていることが、卒業後の学生ではない無職の状態で司法試験を受験しなければならないということをもたらしています。このことにより、20代前半で1度は無職になってしまうことが、学生やその保護者からは不安を高めることにつながっているように思います。このシステムには、メスを入れていただいた方がいいように思います。

採用する側からしても、4月から司法修習が開始され、3月卒業で4月に新人弁護士を採用できるようにしてもらった方がいいように思うのです。今のように12月中旬に合否が決まり、年末に新人を採用するというようなシステムは、他の企業や公務員と比較するとおかしなことになっていて(年末の忙しい時期に新人を採用しているような企業はあまりないと思いますが、法律家の場合、その時期しか新人は採用できないことになっているわけです。)、弁護士の採用だけではなく、事務員の補強なども計画的に実施することが難しくなっていますし、裁判官や検察官の4月転勤の人事異動もややこしくなっているのではないかと危惧するところがあります。裁判官や検察官に広域での転勤を強いている中、家族、特に子どもさん達の転校を考えると、裁判官や検察官の4月転勤のシステムを変更することは極めて困難でしょうから、4月に体制を組んだ後に12月に新人を補強して体制を組み直すということで、1年に2度の組織変更をすることになっているのではないかと思います。他方で、裁判所や検察庁の事務官は、4月採用が基本ということなわけです。裁判所や検察庁の人事担当者は大変なご苦労をされているのではないかと推察しています。

要するに、卒業見込で司法試験を受験できるようにシステムを変更し、3月卒業に続いて4月から司法修習が開始され、3月に司法修習の合否が決まり、新人の法律家は4月から就職できるようにすることは最低限実施されるべきことであって、法科大学院を卒業してからしか司法試験の受験ができないという制度を変更することが最優先に行うべきことと私は思います。