2018/11/28
歪んだ考えって?
司法試験に合格できることで法律家になれるということが歪んだ考えであるという方がおられるようです。
しかし、司法試験に合格した者には法曹資格が与えられることになっているのですから(司法修習は受けなければならないということではありますが)、司法試験に合格できたら法律家になれると思うのは至極当たり前のことであって、歪んでいるなどと非難されるということには私としては共感できないところがあります。
上記の考えは、法科大学院の在学中に司法試験を受験できるようにする制度改革に不満を述べる方が述べておられることのようです。これは、法科大学院を卒業させないと法律家になれないようにすることに固執する考えと言えます。しかし、現状のように法科大学院を卒業しなければ受験ができないということですと、大学を卒業した後で専門職大学院も卒業した方が無職という立場で司法試験を受験しているということになります。それはそれで構わないとおっしゃっているということになってしまいますが、私からすると、学生への配慮に欠けているように思えてなりません。
この考えを大学受験に置き換えてみた場合どうでしょうか。高等学校で在学生に浪人することを推奨するところはいないはずです。どの学校も、在学中に学生が大学に合格できるよう努力されているはずです。在学中に大学受験があることで高等学校の授業に熱心になれない人がでてくるから、卒業させてから大学受験するようにしてくれなどという学校があるとは思えないのです。大学の医学部でも同様で、全員が在学中に医師試験を突破するように指導されていることと思います。
法科大学院としても、学生を在学中に合格できるぐらいにきちんと指導するということを胸を張って言ってほしいなと私は思うのです。
以上のような疑問を持ってしまうような私の考えが歪んでいるのでしょうか。