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弁護士法人 白浜法律事務所

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2012/08/23

法曹養成制度検討会議のメンバーには失望しました

法科大学院制度が当初から制度的名欠陥を持った制度であったということは、既に実証されています。就職先がみつからないまま研修に専念することだけを求められ、働きに応じた給料すらもらえないという修習生の置かれた深刻な状況をみる度に、このような制度を創設した人達の社会的かつ道義的責任の重大さを痛感しているところです。
この法科大学院の問題を含めた法曹養成制度について議論されることになる有識者会議(正式名称は、「法曹養成制度検討会議」)というものが、どのようなメンバーによって構成されるかと期待して注目していたのですが、あの法曹養成フォーラムとほとんど同じメンバーということのようなので、大いに失望しました。
法曹養成フォーラムの委員のほとんどは、修習生の就職難やOJT機会の喪失とか、新任の法曹の能力低下やそれに伴って市民がどのような迷惑を被るかなどの現実を調査したり分析したりすることもしないままに、理念だけを振りかざしたり、弁護士を増やしさえすれば社会がよくなるかのごとき妄想に凝り固まった議論をされていました。現実を直視してまともな議論をされていたのは、経営者側の代表の方ぐらいではなかったかと思います。特に今回の委員選任で問題なことは、この問題の当事者である法科大学院側のメンバーが、オブザーバーではなく委員として入り込んでいることです。とんでもないことだと思います。
法曹養成フォーラムの議論と比較すれば、総務省の分析は、実態調査に基づいたものですから、はるかに説得力がありました。破綻に近い現状にある日本の国家予算の効率的運用という観点からは、試験に合格した修習生の給費制を廃止しながら、まだ試験に合格するかどうかもわからないような法科大学院に財政支援をするということは、国費の運用としては極めて効率が悪いということだと思います。このことに目をつむって、法科大学院に財政的支援を続けることは、背任的な行為と言っても過言ではないと思います。ましてや、このような制度を擁護することに熱心な人物をメンバーにすえるということでは、まともな議論は期待できないと思います。
今行われるべきことは、修習生や法科大学院生からのヒヤリングでしょう。これらの方々のご両親や配偶者などからのヒヤリングも行われてしかるべきだと思います。弁護士になったばかりの方も発言の機会が与えられるべきでしょうし、修習生をサポートしている修習指導担当弁護士などからのヒヤリングもぜひとも行ってほしいと思います。実態調査なくして、正しい対策が立てられるはずがないことは自明です。行政側がこのような人選しかできないのであれば、国会などで委員選任の過程などを厳しく追及していただくしかないように思います。
なお、法科大学院は、元々採算が合わない学校ですから(少人数の学生に対して、高度な専門的知識を持った人たちが個別指導をする必要がある上、図書室など学習のための施設を用意しなければならないためです。)、出願者が減って在籍者も減り、国からの補助金も削減されるということになれば、大学の運営の重荷になることは必至です。だからこそ、撤退するところがでてきているということでしょうが、このまま事態を放置すれば、著名な大学の法科大学院ですら定員割ということになるものと思います。そのうち、法科大学院の設置を推進してきた人たちに対する大学内部での責任追及が始まっても、おかしくないと思います。合衆国では、ロースクールに対して学生から訴訟も提起されているということですから、日本でも同様の事態が生じて、法科大学院が被告となることもあるかも知れません。本人訴訟できるぐらいの勉強はされているでしょうから、弁護士費用を考えて訴訟を躊躇する人はいないはずです。そんな事態を招くような卒業生を小馬鹿にした挑発的な議論ではなく、学生や保護者の置かれている立場に配慮した議論が行われることを期待しています(会議の結論はみえていて、成果には全く期待はしていないのですが、暴動がおきてもおかしくない状況となっていることは自覚してほしいと思います。)。