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弁護士法人 白浜法律事務所

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2012/04/16

修習生の就職指導

修習生の就職環境は、年々厳しくなっています。この現状に身近に接する度に、学費を払ってまじめに勉強してきた卒業生が就職に困っているという事態を、法科大学院は真剣に考えるべきだと思います。正常な就職ができないのに、資格だけは取得できたからいいでしょうというようなことでは困ります。法科大学院への志望者が激減しているのは、司法試験の合格率の問題ではないはずです。志望者が減っているのは、合格しても就職が困難になっているということが広く知れ渡るようになってきているからだということを、真摯に受け止めてもらう必要があると思います。
そもそも、法科大学院は、学生が司法試験を受験する前に、卒業させて世間に送り出してしまいますから、就職のお世話をすることは構造的にも難しいということになりがちです。結局、我々弁護士が修習生の就職指導を行うことになっています。この数年、私は、身近な修習生には、かなり細かな就職指導をしています。私は、縁あってお預かりした以上は、立派な社会人になっていただきたいと思って、修習指導に臨んでいますが、肝心の就職ができないということだと、そもそも一体何のために勉強してきたのかわからなくなってしまうということになってしまうので、できる限りの援助をしたいと思っているわけです。
皮肉なことに、法科大学院ができるまでは、修習生と言えばそれだけで就職ができたという時代が続いていました。そういう時代が続いたためでしょうが、修習生側も就職戦線にどう取り組むかということに関する情報やノウハウの蓄積ができていません。このため、ちょっとした指導を受けただけで、就職ができたりします。例えば、修習生の感覚では、事務所訪問の場で、その事務所に対して、「どんな事務所ですか」とか、「先生は主にどんな仕事をされているのですか」と質問したりすることは至極当たり前のことになっています。しかし、訪問して初めて訪問先のことを知るというようなことは、通常の企業訪問ではあまりないことだと思います。このため、私がやっている就職指導は、訪問先のことをきちんとリサーチしてから事務所訪問に臨めというような基本中の基本から教えることになっています。その上で、履歴書の書き方とか、面接での応対の仕方とかを指導するだけでも、就職戦線での勝ち残り方が全然違ってきます。
そんなわけで、今年も、私が少し指導させてもらった修習生から、既に就職が決まったという報告をいくつかいただいているので、私の就職指導のノウハウも蓄積されてきたことを実感しています。実のところ、自分自身が修習生のときには、まともな就職活動などしていなかったので、私自身も手探りでやってきたことなので、最初はどれだけ効果があるかわからなかったのです。
しかし、私としては、本来、就職指導などは修習指導担当弁護士の仕事ではないと思っています。弁護士がどんな仕事をするべきなのかとかの精神論とか、尋問や法律相談などの技術論とか、法律論を教えるのが本来の指導担当弁護士の仕事だと思うのです。就職問題に気を遣い続けねばならないような修習制度の下での法曹養成の仕組みが続くことが、本当に社会のためになるのかは、大いに疑問です。法科大学院側の経営上の利益確保のために資格の付与率の上昇のことを考えるよりは、試験に合格した学生が充実した修習ができるよう、社会需要に応じた法曹の供給となることを第一に考えてもらいたいとつくづく思います。供給を需要に合わせて過剰供給を抑制することが、合格することへの希望が大きくなって、法曹志望者の増加につながるのではないかと思うのです。
左京区大原の里の菜の花
IMGP3821.JPG
撮影者:白浜徹朗 2012/04/14
修習生に春が来ますように