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2012/05/05

法科大学院への入学希望者はなぜ減っているのでしょうか

司法試験のシーズンなので、司法試験に絡んだネタです。
法科大学院の関係者の方々の中には、合格者数が3千人とならないことが法科大学院の受験者数の減少につながっているかのような発言をされる方が散見されます。しかしながら、受験者数の減少の最大の原因は、合格しても就職できるとは限らないという就職難にあるのであって、合格者の数が伸びないからではないと私は思います。
法的な思考力や問題解決力を身につけるためには、かなりの努力が必要です。ましてや、司法試験に合格するとなると、相当な努力が必要でした。私が受験していたときには、将来は大学の教授になるような人でも、4回生では合格できなくて当たり前という時代でした。基本書と言われる教科書のような本だけでも、民法で最低6冊、刑法で2冊、憲法は1~2冊読み込まねばなりません。しかも、単に読んだだけではなく、自分で文章として記述することまでできるようにならないといけないわけですから、何度も何度も読み返すことになります。これに、会社法や訴訟法が加わります。更に、試験問題も解いて、実際に自分で論文の回答を書き、批評を受け、書き直すということを繰り返して、法的な思考や文章力を身につけないといけません。条文の理解のために、六法を読むという作業もあります。小説と違い、六法を読み続けることは、かなり意識を高めないと難しい作業です。しかも、単に読むのではなく、条文の構造を分析し、基本書に書かれていることを思い出しながら、基本書の理解も深めるということもしなければなりません。司法試験に合格するような知識と思考力、文章力は、1年や2年で身につくことはなく、3年以上は絶対に必要でしたし、長い人は6年以上かかりました。私も、本格的な勉強を始めてから合格までは4年かかりました。
以上が司法試験受験勉強の実態ですから、法的な知識と思考、文章力は、授業に出席すれば、何とか身につくというものでもなく、かなりの努力が必要なわけです。
法科大学院の学生さん達も、おそらく同じような努力をされていると思います。
そのような中、せっかく努力して合格もしたのに就職がないということであれば、何のために勉強してきたのかということになります。合格できさえすればよいというのは、合格=就職ということが保証されていた時代の思考だと思います。実際にはそうではなくなっているのですから、合格したのに就職がなかった、こんなことなら、努力をしても無駄、それどころか、学費も無駄、時間も無駄ということになれば、法科大学院を受験する人が減少することは当然のことだと思います。実際、就職難は、口コミで広がっているようですし、これに修習生の給費制廃止に伴う生活苦が加わっていますから、この口コミ効果は、相乗的なものとなることは必至です。
合格が難しくても、合格できれば就職ができるということがあればこそ、受験生は努力できるという基本的なところをもう一度見直してほしいと思います。急がないと、優秀な人材を、司法界が確保することができないということになりかねませんが、これは、難しい問題が山積している今日の日本社会にとっても、大きなマイナスではないかと思いますし、裁判などを利用するユーザーにとっても、あまりいいことではないように思うのです。