2012/05/16
弁護士をやめる人が増えているということ
2010年7月に弁護士になっても廃業する人が増えていることを書きました。その後、2010年12月にも、年間200人が廃業することが定着したことを指摘させていただいております。
今年も、自由と正義に掲載された請求退会者の数を整理しているのですが、5月号の数字を入力した段階で、2012年1月から5月号までの請求退会者数が105名となり、昨年同月が77名だったことと比較すると36%も増加し、過去最高だった2010年5月号までの80名よりも25名も多くなりました。つまり、今年に入ってから、請求退会者数は増加傾向が顕著ということになっています。このまま推移しますと、今年は、300名近くが退会するということになってもおかしくないようです。ちなみに、3万番以上の方の退会者は1月号から5月号までで58名となり、昨年同月号までの数値が37名であったことを考えると、退会者の増加は、若い番号の方が増えているということも言えるようです。
若い番号の人の退会が増えていることを裏づける数字が自由と正義に掲載されていました。すなわち、自由と正義5月号には、60期と61期の4か月後の登録数が掲載されています。これによりますと、60期は、登録可能となってから4か月で現行が1,262名、新が859名で合計で2,121名となります(集計日が同時期にはならないので合計の数字はあくまでも計算上の数値ということになります。)。61期は、同じく現行が558名で、新が1,554名ですから、合計で2,112名となります。62期と63期は、12か月後の数字がでていますが、62期は現行が322名で新が1,801名で合計2,123名、63期は現行が179名で新が1,747名で合計1,926名となります。
ところが、本日(2012年5月16日)現在で日弁連の会員情報検索で集計してみると、60期は2,095名、61期は2,121名、62期は2,103名、63期は1,923名となっています。理論上の数値ではありますが、以下のとおり、61期を除けば、各期で減少傾向があるということがわかります。61期だけがなぜ未だに登録者が増えているのかはよくわかりませんが、60期と62期の減少数からすると、登録可能な日から12か月ぐらいまでは何とか登録者数が増えたとしても、その後は次第に減っていくということになる傾向がでてきているということは言えるように思います。なお、61期ぐらいまでは4か月ぐらいで登録できる人の97%ほどが登録できたようですが、62期以降は、同じ数字に達するまでには12か月ぐらいはかかるということになっていて、この傾向は次第に悪くなってきているということも言えるようです。
60期 2,121名 → 2,095名
61期 2,112名 → 2,121名
62期 2,121名 → 2,103名
63期 1,926名 → 1,923名