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弁護士法人 白浜法律事務所

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2012/06/18

一部の法科大学院が撤退すればいいということではないでしょう

法科大学院の入学者は、私の懸念が外れて、3000人を上回っているようですが、その置かれている状況が年々厳しくなっていることは明らかです。
このことは、個々の法科大学院の経営上の問題ですまされることではありません。既に、法科大学院は、日本の法律家の養成の重要な一翼を担っていて、国からも経済的支援を得ているわけですし、沢山の卒業生も社会に送り出しているわけですから、その社会的責任は重大です。経営が成り立たないところが撤退すればそれでよいということではないように思います。
問題は、法科大学院の志望者の全体が急減しているということであって、このことは、優秀な人材が司法分野には供給されないという事態が生まれてきていることを意味しています。特に、法学部以外の分野からの志望者や社会人からの志望者の激減は、司法に必要不可欠な多角的視野を狭めることになりかねません。
個々の弁護士や法律事務所がいかに努力しても、相手方におかしな弁護士が就いて無用な争いをされて、解決まで長引いたり、余計な経費がかかったりすれば、信頼を損なうことになります。ましてや、裁判官がおかしな判断をしたりすれば、司法全体への信頼感が揺らぐことになります。このような事態が頻繁に発生するようになってしまえば、我々弁護士だけでなく、利用者たる国民が困ることになります。そこで問われている資質は、法律家としての能力であって、経営センスではありません。実際、弁護士の利用者は、自分のところの弁護士が経営的なセンスがいいかどうかを基準としているのではなく、単に相手方の弁護士よりも優秀かどうかということを判断基準にしているように思います。私自身、相手の先生の方が優秀ということはないですよねと聞かれたことが何回かあるからです。この点、司法の分野に優秀な人材を集めることができないということであれば、それは制度に欠陥があるということですから、早急に改めてもらう必要があるように思います。
他方で、弁護士事務所側も、裁判所側も、司法試験に合格してきた人達への厳しい選別をするようになってきています。私のところが、サマクラをするようにしたことも、その一つの現れです。そのことが、社会人経験者などの就職の道を狭めていることにつながっているのかも知れません。このように、採用する側にも供給過剰による影響が連鎖的に発生し、これがまた志願者減につながるということになります。ただ、この問題も、法曹養成制度の欠陥があるのではないかという視点から検討されるべきことであって、採用する側を非難したところで、問題の抜本的解決にはつながらないように思います。いい人を採用したいという採用する側の論理は抑制不可能なものだからです。
法曹養成制度の構造的欠陥の是正は急いでいただく必要があると思います。