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弁護士法人 白浜法律事務所

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2014/04/07

弁護士会の会費はなぜ高いのでしょうか

 京都の弁護士が、弁護士会に支払う会費は、日弁連の会費も含めると、毎月5万円近くもなり、他の専門職と比較すると格段に高いものとなっています。これは、弁護士会という団体の性質からそうならざるを得ないところがあります。
 まず第1に、弁護士会が行政庁の監督指導を受けない団体となっているということです。つまり、司法書士などの専門職は、法務局などの監督官庁からの指導を受けますが、弁護士会は、懲戒の処分も自ら弁護士会で行うこととなっている独立した団体です。このことに加えて、人権擁護委員会など人権擁護のための活動を行うことが社会的な使命となっていることから委員会活動などが法律上も義務づけられているために、これらの活動を維持するための組織や職員を持つ必要があることになります。また、弁護士会は、市民の法律問題への対応を社会的責務としていることから自治体での相談や弁護士会館での相談などの各種の法律相談活動を拡充しています。そして、この法律相談業務を営むために、その事務処理を担う職員を雇い入れています。これらの活動を支えるための職員の人件費が必要となることが弁護士会の会費が高い理由となります。
 加えて、弁護士は、各地の弁護士会に入会するだけでなく、日本弁護士連合会に加入することが義務づけられていますから、各地の弁護士会費に加えて日弁連の会費も負担することになります。日弁連の委員会の活動は、各地の単位会から代表を出しているために、この委員が東京に集まるための交通費に多額の出費を伴うことになります。最近ではテレビ会議なども行われていますが、テレビ会議には数名が参加する程度で、ほとんどの委員は各地から出張してきていますから、委員会活動の費用には交通費がかなりの割合を占めています。これも弁護士会という制度から来る構造的な会費増の要因となります。
 次に、これらの活動の拠点として会館を保有すると会館の維持管理の費用が必要となることになります。人口の少ない県を管轄していた小さな弁護士会であれば、裁判所の弁護士控え室に職員を常駐させていたようなところもあったかも知れませんが、最近では、自前の会館を保有する弁護士会がほとんどということになっています。この会館を不必要にデラックスなものにしたり、会員数の少ない割に大きな会館を建てたりすると必然的に会費は高くなります。私が会館建設の担当副会長だったときには、いかに安く無駄を省いて建てるかということに四苦八苦させられました。
 他方で、弁護士会としてやらなければならない仕事の量は、会員数に応じて増えるわけではありませんので、弁護士会としてやるべき仕事が日弁連によって規定されてしまうと、会員数の少ない弁護士会では、一人あたりの仕事が多くなることになります。これに会館の費用負担が重くなるということですと、小さな弁護士会に所属して弁護士として活動してゆくことにはかなりの負担が必要となるという問題がでてきます。
 逆に考えると、会員数が増えれば、一人あたりの会費は少なくてすむということになりますから、この10年で会員数が倍ほどになっている日弁連の会費などは減らされて当然ということになるのが論理の必然ということになりますが、実際には、日弁連の会費は、さほど減っていません。これは、日弁連が抱え込んだ仕事が異常に増えているためだと思われます。具体的には、私が弁護士になった1980年代後半は、日弁連の委員会の数は30を上回る程度でしたが、1990年頃より次第に増加し、2000年代には50を超えて、現在では、80を超えています。単位会の委員会も日弁連に対応して増やさざるを得なくなっていますから、単位会の人件費が増えてしまうことにつながっています。
 社会構造が多少複雑になっているとはいえ、1980年代と比べて現在の日本社会で弁護士が関わる問題が倍増しているような社会的事実はないわけですから、現状の委員会の数が多すぎることは確かだと思います。私は、日弁連はもっと身の丈にあった活動をするべきだと思います。上記のとおり、日弁連で委員会を作れば各地でも委員会を作ることになり、会議のための交通費も増えるという基本構造からしても、不要な委員会は減らし、特殊な問題については、委員会の中に部会などを設置して、その部会員には東京三会の会員をより多く充てるなどの対策を採らない限り、会費の負担を減らすことはできないということになります。また、会費増につながる会館の問題については、弁護士会の法律相談もさほど増えていないわけですから、会館を大きなものにする必要はないので、必要最小限のものにすることが強制加入団体として本来あるべき姿だと思います。弁護士の急増政策によって、各会員の経済状況が悪化してきているだけに、少しでも会費を減らす必要があるわけですから、委員会活動の効率化と会館の質素化が求められていることになるわけです。
 最近弁護士会館の建替が問題となっている弁護士会もあるようですが、慎重な議論が行われることを期待したいと思います。