2009/02/09
過疎地の弁護士人口が急増中
1990年の弁護士の数と2009年1月現在の弁護士の数を比較して、増加率の高い順に並べると、ベスト10は、概ね以下のとおりとなります。概ねというのは、東京に3つの弁護士会がありますが、東京の集計データが3会を合同したものしか公開されていなかったということによります。このため、東京3会だけは、平成21年2月9日現在の数値を使用してみましたが、このトータルは公表データでは13,046名とされていたものが、2009年2月9日の段階では13,036名と10名減少していますので、若干の不正確さがあることになります。
1位 滋賀 284%
2位 埼玉 246%
3位 釧路 240%
4位 奈良 239%
5位 第二東京 235%
6位 佐賀県 232%
7位 千葉県 226%
8位 第一東京 224%
9位 福井 221.8%
10位 三重 221.5%
東京弁護士会の増加率も184%で、大阪も180%ですから、約20年というスパンでみると、都市部とその近郊での増加が多い傾向があるように思います。ただ、釧路や福井、三重など、これまで弁護士の数が少なかった地域でも増加が目立ちます。
ところが、2009年1月の数字と2000年の数と比較した場合には、以下のとおりとなります。これらの単位会が最近の10年の間に人口が急増している弁護士会ということとなりますが、いずれもこれまで弁護士人口が少なかった地域です。都市近郊と評価できる地域は、滋賀と奈良ぐらいということになります。どうも、合格者数が1200名を超えるようになってからの増加は、弁護士人口が少ない地域ほど高いということになりそうです。合格者3千人というような社会的需要の裏付のない数字が実現される前の段階で、既にこのような現象が生じていることは、決して軽視されるべきではないように思います。なお、10年で200%の増員ということの意味ですが、仮にこの増加が新人弁護士による数字ということとなれば、二人に一人は弁護士経験10年未満ということになっているということも示してしまうことになります。そんなことを国民が望んでいるのだろうかということは素朴な疑問として生じることとなるように思います。もちろん、経験年数が多ければよいということでもないし、ひまわり公設事務所などは、弁護士会を挙げて、研修や支援を行っていますので、経験年数が少ないということは社会的に問題とされるようなことではないのですが、市民のニーズがそんなところにあるかというのが問題のように思います。
1位 釧路 240%
2位 島根県 219%
3位 滋賀 217%
4位 鳥取県 208%
5位 福井 187%
6位 旭川 184%
7位 奈良 181%
8位 佐賀県 180.5%
9位 青森県 180%
10位 宮崎県 179%