白浜の思いつき

    白浜法律事務所

« 2007年9月 | 白浜の思いつき | 2008年8月 »

  2007年11月

2007年11月14日

司法書士には簡易裁判所に提出する書類以外には裁判所に提出する書類の作成権限がないことにしましょう

司法書士には、簡易裁判所の訴訟代理権が付与されましたが、地方裁判所や高等裁判所の訴訟代理権が付与されたわけではありません。しかし、一部の司法書士は、地方裁判所に提出する書類について、送達場所を自らの事務所に指定したり、場合によっては、事件本人のFAX番号だとして司法書士事務所のFAX番号を記載するなどして、事実上地方裁判所事件の代理行為を行っています。地方裁判所事件で平気で和解交渉をしている司法書士もいます。これは、一見すると、法律専門家の援助を受けているようで、本人にとって利益となっているかのごとく誤解される方がいるかも知れませんが、地方裁判所では弁護士が代理することになっているにも関わらずその代理を受けさせないということ、司法書士は本人に代わって法廷で弁論できないことから、結局のところ本人が直接に弁護士との対応を迫られるという点で、本人にとって不利益を強いる行為です。また、司法書士が破産事件や個人再生事件の書類を作成して地方裁判所に提出する行為も目立っていますが、これらの書類に不備が多い事例が散見されたり、本来監督委員が必要ではない事件でも弁護士が監督委員に選任されるなどして、不要な費用支出を迫られる例も多くなっています。これは、いずれも訴訟代理権がない司法書士が地方裁判所に提出する書類を作成することを許容していることから来る弊害です。司法書士とすれば、自分の権限を超える問題の相談を受けた場合には、自分で処理せずに弁護士にふればいいだけのことです。弁護士は、双方代理が厳しく制限される上、紛争処理を主たる業務としていて、司法修習や実務経験を通じて紛争処理のトレーニングを積んでいますが、司法書士は、登記手続において双方代理が認められているため、双方代理に対して寛容であったり、紛争処理に際してトレーニングも積んでおらず、刑事手続について疎いなど、紛争処理の専門家としては、弁護士とは質的に大きく異なります。ですから、簡易裁判所で訴訟代理権が付与されたことが例外的なことなのです。この付与による弊害が目立ってきている以上、司法書士には、簡易裁判所に提出する書類以外には裁判所に提出する書類の作成権限がないことにして、地方裁判所で事実上の代理行為をすることを禁止するべきだと思います。また、民事訴訟法を改正して、地方裁判所事件の送達場所については、本人の住所や居所、勤務地ではない場所としては、弁護士事務所以外は許容しないようにするべきだと思います。これは、行政書士による同様の行為を防ぐ意味もあります。

2007年11月15日

消防士の安全確保のために危険建物地図を作成するべきでは

京都市では、老朽木造家屋の火災の際、家屋が崩れて消防士が亡くなる事故が発生しています。同じような事故は、北海道でも発生したばかりです。私は、これらの不幸な事故は、老朽家屋が明らかに危険な状態でも使用され続けていることが背景事情となっていると思います。老朽家屋の建替が進まないのは、以前にも指摘したように、屋根に穴が開くぐらいでないと「朽廃」と認めないとする時代遅れの最高裁判例とそれに拘束されてしまっている裁判所にも一定の原因があるように思いますが、危険な建物がその建物の住民や使用者だけでなく第三者にも危険を及ぼす存在であることが理解されないまま、危険家屋除去のための法律の整備が遅れていることに最大の原因があると思います。大阪や京都は、老朽木造家屋が多いために、大地震による被害は甚大なものとなるという予想もされているようです。ところが、京都市は、2007年に建築規制を大幅に強化した結果、現況と同じような建物が建たない地域が格段に広がっており、そのような中で建物の建替を進めるための政策が欠落している結果、建物の建替が進まずに老朽建物がますます増加することが強く懸念される危険な都市になりつつあります。少なくとも、消防士の安全確保のためには、危険な老朽建物を把握し、室内への消防士の突入の可否の判断基準とすることが必要だと思います。なお、このような考えだと、危険建物の利用者の命が守れないとか、差別するのかという非難を受けるかも知れませんが、そもそもそのような危険建物については使用を中止させるという制度が早急に作られるべきであって、利用を許容していることに問題があると思います。危険な建物の把握は、今の法制度の中でも可能なはずですから、市民の安全を守るために命を賭けて働いておられる消防士の安全の確保のためには、危険建物の把握作業が急務ではないかと思います。