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  2017年12月

2017年12月05日

66期と67期は厳しい就職環境を生き抜いた


 弁護士になっても、自主的に廃業する人が増えているということについて、紹介させていただいたことがある。この自主廃業には変化がみられる。端的に言うと、66期以降は、自主的に廃業する人は減少している。このことを、弁護士の就職状況が好転したことの現れと評価する方もいるかも知れないが、私の実感では、好転したとまで言い切ることはできないように感じている。

 ただ、弁護士人口の増減に関するデータからは、就職環境が一番厳しかったのは、66期と67期であって、68期以降は若干の改善はあることは確かなように思われる。まず、理論上弁護士になることができる人数と実際に弁護士となった人数の最大値を比較すると、66期は96.3%、67期は96.6%と、他の期と比較して小さくなっている。最大値に達するまでの期間も66期は401日で67期は385日と他の期と比べると短い。努力しても採用してもらえなかった人が多く、すぐにピークに達してしまい、弁護士事務所への就職ができなかった人が多く出現したということではないかと推察される。

 67期までの就職環境が厳しかった最大の原因は、二回試験合格者数が社会需要に比較しても多すぎる状態が続いたからであり、少しの改善があったのは68期以降の二回試験合格者数が大きく減ったからであることと私は推察している。200名程度の減少ですら、このような効果が生じているのだから、もっと大きく減らすことができれば、弁護士の就職環境が大きく改善することは間違いないということは言えるだろう。

 ただ、69期は、68期とあまり変わらない数の合格者であったにも関わらず、68期と比較しても、到達までの日数が大きく減ったばかりか、既に5名も減っている。従って、69期の就職事情が大きく好転したとまでは断定できないのではないかと私は思うのである。

 このような早期の退職者が出現しているのはなぜなのだろうか。私は、二つのものがあるのではないかと推察している。まず1つは、就業したものの就業環境としては劣悪だったので自主的に廃業した場合であり、この反対の見方として、雇用主側からの採用したものの期待した能力に欠けるとして退職を迫られたということもあるように思う。

 前者となるような劣悪な就業環境におかれた弁護士は残念ながら多くなってしまっている。暴言や大声による罵倒など、人権侵害にあたるようなことを平気で行う弁護士がいることは実際に見聞している。ノキ弁という名目での低賃金での労働収奪も数多くみられる。

 他方で、事務所の側としても、これで本当に司法修習を終えたのかと感じてしまうほどに法的素養に欠けた弁護士が増えているのも事実であり、とんでもない訴状を見聞することが増えてきたように実感している。

 どちらも、弁護士を利用する側からすれば、不安に感じたり、迷惑に思えることであり、好ましいことではない。適正な人数での司法修習となれば、合格者の選抜が厳しくなることで法的素養に欠けながらも司法修習を受ける人は減るし、数の減少によって就職市場が改善することで新人弁護士の就業環境が改善されればよりよいOJTの場が確保される確率も飛躍的に高まり、弁護士の仕事の質もより高くなりやすくなるのだから、まずは、合格者数の適正化を先行させることが求められているものと私は思っている。

弁護士人口増減整理表.pdf