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弁護士法人 白浜法律事務所

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2014/09/01

若手弁護士アンケートにご協力ください

 60期以降の若手弁護士の皆さんには、これからの司法と法曹のあり方を考える弁護士の会から、アンケートが送付されていることと思います。
 宇都宮会長時代には、法曹人口政策会議というものが設置され、各地の弁護士会から委員が集まり、法曹人口問題について議論し、最終的には司法試験合格者数を1500人まで減員することを求める決議をまとめることができました。私も、この委員として、日弁連にでかけては、色々な意見を述べておりました。その中に、会員の声を聞いてほしいということでの会員アンケートの実施を求める意見がありました。しかし、この提案には、大きな単位会を中心とする人たちからの反対が強く、会議で取り上げてもらえるまでには至らず、実施することはできませんでした。日弁連は、弁護士を構成員とする組織ですから、その会員の声を集めるということがなぜいけないのか、未だにわかりません。
 今回、これからの司法と法曹のあり方を考える弁護士の会は、若手弁護士の現状把握のために、アンケートを実施することになりました。このアンケートが沢山集まれば、若手の意見がわかることになり、日弁連の政策変更を促すことにつなげることができないかと期待しております。基本的にはをつけるだけで回答できるよう工夫して簡単なアンケートにしておりますので、ぜひご協力いただければと思います。

2014/08/11

65期の厳しい就職状況を示すデータ

 日弁連が本来やるべきことだとは思いますが、私は、個人的に、若い期の弁護士の総数の推移をチェックする作業を続けております。65期の総数の推移からすると、登録したり、また、抹消したりということを繰り返している人がいるのではないかと思われる数字の動きがありますので、ここで、公表させていただきます。
 65期は、新規登録可能な日には、1,370名が登録された期です。546名が弁護士にも裁判官にも検察官にもならなかったということで、一括登録可能時の弁護士未登録者が激増した期になります。
 65期は、2013年1月末には1,650名近くが弁護士登録され、3月初旬には、登録数は1,750名ほどになり、4月には1,800名を越えました。しかし、その後は、登録数の増加は停滞気味となり、1,820名となるのは、5月の連休明けでした。64期と比較すると増加が停滞する時期が少し早まっています。7月20日頃には、1,850名を越えるのですが、その後は、9月になってから、登録数が一時期減ったりもしながらも少しずつ増えて、2014年1月になって1,861名となり、1,860名台にようやく達することになりました。その後も増えたり減ったりを繰り返しながら、4月中旬に1,864名となったもののまた1,862名に減り、8月5日には1,864名に再び戻るものの、本日8月11日には1,863名に減っています。
 このように、65期は、昨年9月から増えたり減ったりの繰返しになっています。全体数が増えたり減ったりしていることは、就職に苦労されている方が増えていることの象徴だと思います。弁護士に登録するには、日弁連と各単位会に入会金を納める必要がりますので、一度退会して入会し直している人がいるのなら、経済的な負担としても重いものがありますから、本当に大変だろうと思います。
 なお、64期は、総数が1,924名になったことがありますから(8月11日現在は1,907名に減っています。)、65期の数は、64期と比較して60名も減っていることになるということも補足しておきます。おそらく66期は、65期よりもさらに厳しいデータがでてくることになるものと推察されます。私がチェックしているところでは、現時点でも増加スピードが落ちている上、既に一時期減ったりもしているからです。
 日弁連は、このような新人弁護士の現状をもっと理解するように努める必要があると思います。

2014/08/03

新規登録弁護士の中に登録を抹消する人が増えているということ

 司法試験に合格したところで弁護士になれるとは限らないということは、もはや常識のように世間に定着してしまった感があり、早くからその問題を指摘してきた者としては、大変残念に思っています。
 司法試験合格者を社会の需要を無視して急増させた結果は、司法修習生の就職難という社会的な問題を招くことになりましたが、この急増政策が適切な時期に停止されずに漫然と維持されたために、単なる就職難の問題から新人弁護士の就業環境の劣悪化という、より深刻な問題に深化してきています。
 その象徴とも言える統計的数字が、若い期の弁護士数の急減です。つまり、私が調べた限り、60期は新旧合わせて2,094名いた時期がピークですが、平成26年8月2日段階での現在数は2,056名と38名の減、61期は同じく2,122名いた時期がピークですが現在数は2,075名と47名の減、62期は同じく2,109名いた時期がピークですが現在数は2,061名と48名の減、63期は同じく1,925名いた時期がピークですが現在数は1,876名と49名の減、64期は同じく1,907名いた時期がピークですが現在数は1,907名と17名の減となっています。61期から63期にかけて総数が減っている中、減少者の総数が同じような人数となっていることは、問題がより深刻化してきていることを示しているように思います。なお、ピーク数を新旧合わせた数字でしか公表できないのは、日弁連の検索システムが新旧を区別しない取扱となっているためです。このため、現行組と新修習組とに統計的な差があるのかどうかがわかりません。ただ、問題は社会的需要を越えた供給過剰にありますから、おそらく有意な差はないものと予想されます。
 63期は、弁護士になってからおよそ3年半を過ぎたという人が多いはずですから、50名近くが既に弁護士ではなくなってしまったということは驚くべき数字のように思います。この63期は、二回試験後の一斉登録可能時点における法曹にならなかった人が、現行組が44名と22.6%を占め、新63期では214名(11.0%)と初めて200名を越えた期です。就職状況が大学生の就職と比較しても格段に悪いという状況になって2年目ぐらいというところです。63期でこのような現象が生じているわけですから、63期よりも就職環境が悪化した64期以降は、さらに顕著な現象が生じる危険性は極めて高いと言わざるを得ません。
 就業環境が劣悪な中、弁護士会費を毎月5万円近くも払うということでは、生活が成り立たなくなるのは当たり前のことですから、弁護士から転職するという人が増えてくるのは経済的必然だと思います。しかし、これが競争原理の結果だと言われるのは、不合理だと思います。弁護士になってから努力するという機会を得る前に劣悪な環境に置かれて撤退を強いられているというわけですから、もはや競争に参加さえさせてもらえなかった人が多数生じているという問題だからです。
 現に、私の周囲でも劣悪な就業環境が原因となって事務所を退所したり、他の事務所に移ろうとしている人がいるとの話がいくつか聞こえてきています。このようなことが続けば、法曹になろうとする人が激減することになるのは必至です。早急に法曹養成制度の改善が求められています。最大の問題が社会的需要に合わない合格者の無駄な輩出にある以上、最初に行うべきことは、合格者数の削減であることは明らかです。これにより、国家的予算も大きく削減できるわけですから、司法修習の給費制復活など、法曹志望者の激減を防止する各種施策も実施できる環境を整えることもできます。急がないと取り返しがつかない状況に司法全体が陥ることとなり、国民にも多大な迷惑が生じることになりかねません。
 個人の人生ということを考えてみてほしいとも思います。20代という時期を勉強に投じて、研修も受け、弁護士になった人が転職をすることを余儀なくされている、そして、そんな人が少数ではなく沢山いるということなわけです。もちろん、旧司法試験の時代にも、いわゆる司法試験浪人という人がいたことは事実ですが、28歳ぐらいまでには、合否の可能性がわかった上で、試験を続けるかどうかを決めていたはずです。今発生している問題は、司法試験には合格し、研修も受けたのに仕事がないという事態です。どちらが不合理なのか、また、どちらが残酷なことなのかは自明なことだと思います。私は、社会的需要を無視して合格者を乱造しているという政策の失敗が若い人たちの人生を狂わせていることになっていると言っても過言ではないのではないかと思っています。

2014/06/17

予備試験の制限は法科大学院にプラスになるのでしょうか?

 新聞報道によりますと、予備試験の制限を東大や京大などの法科大学院が連名で訴えているということらしいのですが、私は、予備試験を制限することは法科大学院にはプラスに働かないように思います。
 法科大学院が十分な数の学生を確保できていたのは、制度が発足したばかりの頃です。法科大学院の発足前の段階では、司法制度改革が夢のように語られたことから、法学部の学生以外の他の分野からも学生を集めることができていたようです。ところが、法科大学院発足前の段階から既に発生していた司法修習生の就職難が次第に大学の法学部学生にまで知られるようになるにつれて、新たに司法試験を受験しようとする人は減少してゆきました。この就職難は、法科大学院の第1回卒業生が輩出される前の段階で既に発生していましたから皮肉なものです。それでも、法科大学院が学生を確保できていたのは、要するに旧司法試験の受験生が移ってきてくれただけのことです(64期ぐらいまでは、旧試験の受験生でしたという司法修習生がかなりの割合を占めていましたが、67期に占める旧試験受験生の割合は相当に減少しています。)。新しく受験しようとする人の数が毎年減少していく一方で、合格者数が2000名程に増やされたことで受験生から合格者になった方も増えたことも相まって司法試験の受験生の総数はさらに減少し続けています。
 今発生している予備試験の受験生の増加という現象も、受験生の中での移動に過ぎないと思います。法科大学院に通う学費や時間が敬遠されている中、予備試験の道も制限されるとなると、受験生は行き場を失うことになりますから、さらに受験生の供給が減少することになります。予備試験を受験してみて手応えはあったとか法律がおもしろくなったという人が法科大学院でもう少し勉強を続けようという流れが、最初から遮断され、断ち切られることになるからです。
 このような私の考えに対し、「予備試験組が不公平とならぬよう割合を配慮すれば合格者が増え、実績ある法科大学院から崩れることとなり、法曹養成牽引の主要なエンジンが損なわれる」という考え方もあるようですが(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/hoso_kaikaku/dai8/siryou10-3.pdf)、実績ある法科大学院のある法学部は、一般企業や公務員への就職で有利なところばかりですから、予備試験まで制限されれば、わざわざ法科大学院に進むことなく企業や公務員の道に進む学生が増えることは火を見るより明らかなことです。つまり、そのような大学では、予備試験が制限されたとすると、法学部には、法律家を目指す学生が法科大学院が設置される前のようには集まらず、国家公務員を目指すような学生が増えることになり、法律学の習得を目指して勉強する学生が内部的にも減少して、法律学研究の学生育成にも問題が生じることになりかねませんし、自校が設置している法科大学院に内部進学する学生も減って他の大学からの学生が増えることになるでしょう。これは、当該大学の法学部の偏差値の低下をさらに進めて、優秀な人材が他の大学や学部にとられてしまうことになる危険性の方が高いと思います。
 私は、今行うべきことは、予備試験の制限などという姑息な受験生泣かせの施策ではなく、司法試験の合格というものの持つ魅力を再度復活させることだと思います。この復活という点では、司法試験合格者という方々の所属する労働市場の需給関係を市場のニーズに合わせて変えることしかありません。つまり、司法試験合格者数を減らすこと、これが今喫緊にやるべきことだと思います。職業としての魅力が復活すれば、法科大学院を目指す学生も自然と増えてくるはずです。そのような環境の中で、法科大学院は、予備校と自由競争して勝ち残ればいいだけのことです。学生が学費を払ってでもいきたいという教育をされている法科大学院は勝ち残るはずでしょう。