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弁護士法人 白浜法律事務所

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2014/04/08

法学部人気の凋落について思うこと

昔は、文系というと法学部が人気でしたが、現在では、経済学部や文学部よりも人気がない学部ということになってしまったようです。原因は、司法試験合格者を市場のニーズを無視して急増させ、弁護士の就職難という社会問題を引き起こし、裁判官や検察官も含めた法律家の職業的魅力を著しく低下させてしまったことにあります。
先日、法学部の同窓会に参加させてもらう機会がありましたが、そこでは、法学部の責任者の方が、法学部人気の凋落を嘆きながら、法学部が法曹養成のための学部であるとの誤解を解く必要があるなどと言われていました。しかしながら、法律家になりたいという夢があるからこそ法学部を志望するという人がいるわけですから、法学部の人気回復のためには法律家の職業的魅力を回復させることを第一に考えるべきであって、法学部が法律家の養成だけをしているわけではありませんよと宣言するようなことでは、法学部人気の回復は期待できないように思います。責任者がこのようなことを言っているようでは、法学部はさらに凋落していくことになるのだろうと寂しい思いを持ちました。
また、法学部の人気凋落の最大の原因となっている感のあるのは法科大学院ですが、この法科大学院の関係者の中には、司法試験の合格者を増やすことが法科大学院の人気回復になるかのような考えを持っている人もまだ散見されるように思われます。しかし、これ以上合格者を増やせば、弁護士の就職難はさらに悪化しますから、逆効果を招くことは明らかです。私が見聞したアンケート結果によれば、ここ数年の法科大学院出身の弁護士の過半数はこの制度に疑問を持っていると回答しています。つまり法科大学院は卒業生から入学するのはやめとけと言われるような学校になってしまっているわけですから、そんな学校の人気が落ちていくのは当たり前です。そもそも資格をとるための学校なのに、資格を持っても職がないでは、何のために勉強したのかということになるのも当然です。資格をとったらいい仕事に就けるということにならない限り、資格取得のための学校の人気の回復は見込めないのです。
かくいう私は、法学部出身者として誇りを持っています。私の友人や先輩、後輩などを見渡しますと、法学部出身者は、色々なところで活躍していることがわかります。たとえ法律家にならなくても、公務員となって法の適正な執行を支えたり、新たな法律や条例などの策定や改正などに関わったり、企業に入って適正な取引を実現したり、コンプライアンスの徹底などに関わるなどして、各所で日本社会をリードする存在となっていたことは間違いないと思うのです。そのような法学部が凋落していくことは本当に残念なことだと思います。
ただ、法学部人気の凋落傾向は、法科大学院なるものが作られ、卒業生を輩出してから5年程度のことで出現しているわけですから、法科大学院を中核とした法曹養成制度を早急に見直せば、急回復することもあり得るのではないかと思います。ぜひそうなってほしいと思います。
法学部の学者の先生方の中には、そこで育った弁護士の成仏を祈っておられる方もおられるようですが、我々卒業生としては、法学部の人気回復を祈っているということは忘れないでほしいと思います。

2014/04/07

弁護士会の会費はなぜ高いのでしょうか

 京都の弁護士が、弁護士会に支払う会費は、日弁連の会費も含めると、毎月5万円近くもなり、他の専門職と比較すると格段に高いものとなっています。これは、弁護士会という団体の性質からそうならざるを得ないところがあります。
 まず第1に、弁護士会が行政庁の監督指導を受けない団体となっているということです。つまり、司法書士などの専門職は、法務局などの監督官庁からの指導を受けますが、弁護士会は、懲戒の処分も自ら弁護士会で行うこととなっている独立した団体です。このことに加えて、人権擁護委員会など人権擁護のための活動を行うことが社会的な使命となっていることから委員会活動などが法律上も義務づけられているために、これらの活動を維持するための組織や職員を持つ必要があることになります。また、弁護士会は、市民の法律問題への対応を社会的責務としていることから自治体での相談や弁護士会館での相談などの各種の法律相談活動を拡充しています。そして、この法律相談業務を営むために、その事務処理を担う職員を雇い入れています。これらの活動を支えるための職員の人件費が必要となることが弁護士会の会費が高い理由となります。
 加えて、弁護士は、各地の弁護士会に入会するだけでなく、日本弁護士連合会に加入することが義務づけられていますから、各地の弁護士会費に加えて日弁連の会費も負担することになります。日弁連の委員会の活動は、各地の単位会から代表を出しているために、この委員が東京に集まるための交通費に多額の出費を伴うことになります。最近ではテレビ会議なども行われていますが、テレビ会議には数名が参加する程度で、ほとんどの委員は各地から出張してきていますから、委員会活動の費用には交通費がかなりの割合を占めています。これも弁護士会という制度から来る構造的な会費増の要因となります。
 次に、これらの活動の拠点として会館を保有すると会館の維持管理の費用が必要となることになります。人口の少ない県を管轄していた小さな弁護士会であれば、裁判所の弁護士控え室に職員を常駐させていたようなところもあったかも知れませんが、最近では、自前の会館を保有する弁護士会がほとんどということになっています。この会館を不必要にデラックスなものにしたり、会員数の少ない割に大きな会館を建てたりすると必然的に会費は高くなります。私が会館建設の担当副会長だったときには、いかに安く無駄を省いて建てるかということに四苦八苦させられました。
 他方で、弁護士会としてやらなければならない仕事の量は、会員数に応じて増えるわけではありませんので、弁護士会としてやるべき仕事が日弁連によって規定されてしまうと、会員数の少ない弁護士会では、一人あたりの仕事が多くなることになります。これに会館の費用負担が重くなるということですと、小さな弁護士会に所属して弁護士として活動してゆくことにはかなりの負担が必要となるという問題がでてきます。
 逆に考えると、会員数が増えれば、一人あたりの会費は少なくてすむということになりますから、この10年で会員数が倍ほどになっている日弁連の会費などは減らされて当然ということになるのが論理の必然ということになりますが、実際には、日弁連の会費は、さほど減っていません。これは、日弁連が抱え込んだ仕事が異常に増えているためだと思われます。具体的には、私が弁護士になった1980年代後半は、日弁連の委員会の数は30を上回る程度でしたが、1990年頃より次第に増加し、2000年代には50を超えて、現在では、80を超えています。単位会の委員会も日弁連に対応して増やさざるを得なくなっていますから、単位会の人件費が増えてしまうことにつながっています。
 社会構造が多少複雑になっているとはいえ、1980年代と比べて現在の日本社会で弁護士が関わる問題が倍増しているような社会的事実はないわけですから、現状の委員会の数が多すぎることは確かだと思います。私は、日弁連はもっと身の丈にあった活動をするべきだと思います。上記のとおり、日弁連で委員会を作れば各地でも委員会を作ることになり、会議のための交通費も増えるという基本構造からしても、不要な委員会は減らし、特殊な問題については、委員会の中に部会などを設置して、その部会員には東京三会の会員をより多く充てるなどの対策を採らない限り、会費の負担を減らすことはできないということになります。また、会費増につながる会館の問題については、弁護士会の法律相談もさほど増えていないわけですから、会館を大きなものにする必要はないので、必要最小限のものにすることが強制加入団体として本来あるべき姿だと思います。弁護士の急増政策によって、各会員の経済状況が悪化してきているだけに、少しでも会費を減らす必要があるわけですから、委員会活動の効率化と会館の質素化が求められていることになるわけです。
 最近弁護士会館の建替が問題となっている弁護士会もあるようですが、慎重な議論が行われることを期待したいと思います。

2013/12/31

2013年を振り返って

 2013年も大晦日を迎えることになりました。
 この数年、司法修習委員会の仕事に注力してきましたので、今年の年末に、京都配属の修習生から二回試験不合格者がでなかったことには感慨深いものがありました。修習生が弁護士会に配属されるのはたったの2か月のことなので、弁護士会の修習委員会でできることは限られていますが、その中でもできる限りのことをしようということでみんなで知恵をだしあい、がんばってもらった成果がようやく実を結んだということになります。修習委員や指導担当弁護士の方々には改めてお礼を申し上げたい気分です。
 ただ、発表直後の日弁連の修習委員会で受けた民事弁護や刑事弁護の試験結果の報告からしますと、喜んでばかりはいられない現実があることを痛感させられました。残念ながら、合格者のレベルが全体的に大きく低下していることは否めないのです。京都で修習された方々には、今後の研鑽が大事だということを肝に銘じていただきたいと思います。
 また、この数年は、履歴書指導という修習生の就職に関する個人的なボランティア活動にもがんばってきました。この指導の結果として面接までたどり着き、就職先がみつかった人もいましたから、やるだけのことはやったと自負しています。ただ、これは結局のところ、他の人が就職できないということになるだけという側面もありますから、本当にそれでいいのかと自問自答するところもありますので、来年は少しセーブしようと思います。
 幸いなことに仕事には恵まれて、むしろ仕事の処理に追われた感がありましたので、新たに大杉弁護士に加入してもらうことになりました。ほっとするとともに、責任も感じています。いい弁護士に育ってほしいと思っていますので、皆様にもご指導ご支援をいただければ幸いです。
 それでは、皆様、よい年をお迎え下さい。

2013/12/27

66期の就職状況のまとめ

 66期については、裁判官の採用数が92名ということが12月26日に発表されたので、二回試験終了直後の就職状況は、以下のとおりに、整理されることになりました。就職先不明の数字は570名となってしまいました。私が初めて問題を指摘した58期の数字が27名だったことを考えると桁違いの数字になってしまっています。なお、このブログのシステムにタブの設定機能がないため、数字が少しずれてしまっています。申し訳ありません。
二回試験合格者 一斉登録弁護士 裁判官 検察官 就職先不明
平成24年  2080   1370    92   72    546
平成25年  2034   1286    96   82    570
増 減     -46   -84    +4  +10   +24
 就職できなかった人の数は昨年と比較するとそれほど増えていないと評価される方もおられるかも知れませんが、問題は、比率です。司法試験の合格者数はさほど減っていませんが、司法試験に合格しても、修習すらしないという人が年々増えているため、修習を終える人、すなわち、二回試験の合格者が減っているからです。上記の数字から二回試験の合格者に占める一斉登録弁護士の比率を算出すると、昨年が65.87%で、今年は63.23%と2.5ポイントも下げてます。同じように、就職先不明者の比率は、昨年の26.25%が今年は28.02%と1.8ポイントほど上がったということになります。裁判官と検察官の採用増で、一斉登録時点で弁護士にならなかった人の数は大きくは増えなかったものの、統計上も、就職状況が悪化している傾向には歯止めがかかっていないということになります。
 これに加えて、私の周囲から漏れ伝わってくる情報によりますと、いわゆるノキ弁や即独の増加傾向が顕著ですから、就職状況の悪化は更に深化していることになります。司法試験の合格は就職先確保を意味しないということが定着したことだけは確かなようです。これは、法曹志望者を量的にも質的にも減退させることになりますから、その最大の供給源である大学の法学部の不人気傾向に更に拍車がかかることは必至です。