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弁護士法人 白浜法律事務所

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2014/10/16

今の制度であれば私も弁護士にはなれなかったと思う

 10月14日の日弁連主催の「司法修習生への給費の実現と充実した司法修習に関する院内意見交換会」に参加してきました。
 衆議院第2議員会館の会議室に参加者が座りきれずに立ち見がでるほどの盛況でした。沢山の国会議員の方々が、次々に意見表明をされ、貸与制という名をまとった無給による研修の強要という現行司法修習制度の問題が次第に広まってきているように思いました。
 中でも身につまされたのは、家庭の事情で司法修習を断念して公務員の道を選んだという人の訴えでした。経済的に余裕がなければ、司法修習をすることはできないということがまさに実感できました。私は、事ある毎に司法修習を辞退する人が増えているという統計的なデータを公表してきましたが、この統計的データの中には、個々の人たちの人生選択があるということを重く受け止める必要があると思いました。この方の訴えに象徴されているように、今の司法修習制度では、経済的な理由で法曹になることを断念する人が層として存在するわけですが、これは極めて重要な問題だと思います。
 私も、アルバイトなどをしながら勉強して弁護士になった人間です。今の時代なら、法律家になることは最初から諦めていたと思います。そのような制度が放置されていいはずはないので、今後も、給費制復活の運動には微力を尽くそうと思います。

2014/10/14

請求退会者が増え続けていること

自由と正義の10月号が届きましたので、請求退会者の数をまとめました。昨年の1月から12月号までの合計は320名でしたが、今年は、10月号までの集計で325名となり、増加傾向が続いていることが裏付けられました。このうち3万番を超える人が201名でしたが(昨年は年間で217名)、1万番以上3万番未満の方が現時点で110名となった(昨年は年間で103名)ということですから、そこそこの弁護士経験のある人の自主退会が増えてきているように思います。弁護士激増政策が実施される前は、全体でも50名しか年間の退会者がいなかったことを考えると、3万番未満の弁護士が100名を超えて退会するということになっているということからは、中堅の弁護士にも退会者が増えてきているのではないかと思われます。

2014/10/14

予備試験受験生への差別は違法の疑いがあるように思う

 10月11日のシンポには全国から沢山の方がお集まりいただきました。特に、26名もの国会議員の方からメッセージが届いたということで、これからの運動に希望を持つことができました。ありがたいことだと思います。このシンポで考えたことの中から予備試験受験生の差別には違法の疑いがあるという問題をまずは指摘しておきたいと思います。
 司法試験は、資格試験ということですから、当然ながら、司法試験法という法律に基づいて運用されています。そして、司法試験の予備試験は、司法試験の受験資格に関わる試験ですから、この司法試験法の中で明確に規定されています。すなわち、司法試験法第5条1項は、予備試験が「司法試験を受けようとする者が前条第一項第一号に掲げる者と同等の学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を有するかどうかを判定することを目的」とするものであることを明らかにしています。つまり、予備試験は、理念上は、予備試験合格者に法科大学院卒業生と同等の資質があるかどうかを判定する試験ということになります。逆に言うと、予備試験に合格した人は、法科大学院修了生と同等の資質があると判定されたことになりますから、法科大学院修了生と平等に扱うことは資格試験として当たり前のことになります。
 この趣旨は、平成18年3月31日の閣議決定において、「法曹を目指す者の選択肢を狭めないよう、司法試験の本試験は、法科大学院修了者であるか予備試験合格者であるかを問わず、同一の基準により合否を判定する。また、本試験において公平な競争となるようにするため、予備試験合格者数について毎年不断の見直しを行う。以上により、予備試験を通じて法曹を目指す者が法科大学院修了者と比べて不利益に扱われないようにする。」として確認されていますし、平成19年12月28日の閣議決定でも、「本試験において公平な競争となるようにするため、予備試験合格者数について、事後的には、資格試験としての予備試験のあるべき運用にも配意しながら、予備試験合格者に占める本試験合格者の割合と法科大学院修了者に占める本試験合格者の割合とを均衡させるとともに、予備試験合格者数が絞られることで実質的に予備試験受験者が法科大学院を修了する者と比べて、本試験受験の機会において不利に扱われることのないようにする等の総合的考慮を行うべきである。」とされています。要するに、国民の代表たる国会が定めた司法試験法に従って、行政のトップである内閣も、予備試験合格者を不公平に扱ってはならないとしているわけです。
 ところが、現実には、予備試験合格者は極めて不利に扱われています。これは、そもそも試験を受けることができるのかという入口における差別です。すなわち、下記のデータからも明らかなように、予備試験は極めて狭き門となっています。
  年 度   出願者数   受験者数  合格者数  合格率
 2011年  8,971    6,477    116    1.8%
 2012年  9,118    7,183    219    3.0%
 2013年 11,255    9,224    351    3.8%
 2014年 12,622   10,347    392    3.8%
 最初の合格率については、この試験を受けて合格した人が司法試験でどのような成績となるのかがわからないわけですから、1.8%という狭い合格率となったことを非難することはできないかも知れません。しかしながら、問題は、予備試験に合格した人の司法試験での成績がどうだったかということです。この点、予備試験合格者の司法試験合格率と法科大学院の卒業生との合格率の差は、以下のとおり、予備試験合格者が圧倒的に優位に立つことが続いています。なお、2011年度に予備試験に合格した人が翌年の司法試験を受けることができるということになりますので、1年のずれが生じることに注意が必要です。
  年 度   予備試験か         法科大学院
       らの受験者 合格者 合格率  修了受験者  合格者  合格率
 2012年度   85  58  68.2%  8,302  2,044  24.6%
 2013年度  167 167  71.9%  7,486  1,929  25.8%
 2014年度  244 163  66.8%  7,771  1,647  21.2%
 以上のように、予備試験合格者は司法試験に70%ほど合格するのに対して、法科大学院修了生は25%程度しか合格できていないわけですから、予備試験合格者は試験を受けることができるかどうかという入口において、極めて不公平に扱われていて、法科大学院修了生と「同等の学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を有」している人の中から特に優秀な人だけ受験させるという取扱にしていることになります。要するに、予備試験受験生の中には最終的な合格レベルに達していても司法試験を受験できない人が沢山いたということですから、予備試験の合格判定において予備試験受験生への露骨な差別が行われていることになります。これでは、国会が定めた司法試験法や行政のトップである内閣の定めた運用指針を無視した極めて非民主的な運用が行われていると非難を受けてもおかしくないと思います。予備試験の合格者が増えることが法科大学院制度にとって脅威であるということはわかりますが、司法試験は「裁判官、検察官又は弁護士となろうとする者に必要な学識及びその応用能力を備えているかどうかを適確に評価する」ことを求められているわけですし(司法試験法第3条4項)、法科大学院修了生を優先して受験させるというような規定を置いておらず、むしろ、上記のように平等の取扱を求めている以上、予備試験合格者だけは特に優秀な人だけ司法試験を受験させるという現在の運用には大いに問題があると言わざるを得ないと思います。
 このような違法の疑いがある運用が行われている中、予備試験にさらに制限を加えようとする動きがあるようです。しかしながら、実際には、予備試験受験生がいることによって、ようやく法曹志望者の減少に歯止めがかかっていると言わざるを得ない状態になっていますから、予備試験の制限など絶対にやってはいけないことだと私は思います。

2014/10/10

10月11日のシンポでお話しすること

10月11日の大阪弁護士会館でのシンポでお話しする内容がほぼ固まってきました。
これまで弁護士の急増政策の問題点としてあまり指摘されたことがなかった内容としては、①61期から63期にかけて既に50名以上が弁護士をやめていること、②東京大学法科大学院を筆頭に主要な法科大学院でかなりの割合で定員割れが続いていること、③司法試験に合格しても司法修習をしない人が増加していること、④裁判所の支部がある地域で弁護士は増えたが事件数は増えていないこと、⑤弁護士の所得が急激に減少していることが統計上も明らかになってきていること、⑥大阪や東京三会では弁護士の増加率が低くなっていること、⑦これまで弁護士がいなかった地域に開業支援なしに開業する若い弁護士が増えていること、⑧予備試験の合格者の司法試験合格率や予備試験の受験倍率などを総合的に考慮すると、予備試験のハードルが不当に上げられているのではないかとの疑問が生じる事態となっていることなどについて、お話しさせていただく予定です。
なお、パネラーとしても、少しお話しすることになりますが、木下富夫教授(武蔵大学)のお考え、つまり、法曹養成を出口で絞るか入口で絞るかという区分で言うと、諸外国の中で、日本だけが出口で絞るという極めて特殊な制度を採用していること、このような制度は、ステレオタイプの法曹を増産し、優秀な人材が他に逃げ、家計の貧しい青年が法曹にチャレンジできなくなり、法曹のイデオロギーが偏る恐れがでてくる問題を招来するということで他の国では採用されていないとの指摘を紹介したいと思っています。

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