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弁護士法人 白浜法律事務所

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白浜の思いつき
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2013/12/31

2013年を振り返って

 2013年も大晦日を迎えることになりました。
 この数年、司法修習委員会の仕事に注力してきましたので、今年の年末に、京都配属の修習生から二回試験不合格者がでなかったことには感慨深いものがありました。修習生が弁護士会に配属されるのはたったの2か月のことなので、弁護士会の修習委員会でできることは限られていますが、その中でもできる限りのことをしようということでみんなで知恵をだしあい、がんばってもらった成果がようやく実を結んだということになります。修習委員や指導担当弁護士の方々には改めてお礼を申し上げたい気分です。
 ただ、発表直後の日弁連の修習委員会で受けた民事弁護や刑事弁護の試験結果の報告からしますと、喜んでばかりはいられない現実があることを痛感させられました。残念ながら、合格者のレベルが全体的に大きく低下していることは否めないのです。京都で修習された方々には、今後の研鑽が大事だということを肝に銘じていただきたいと思います。
 また、この数年は、履歴書指導という修習生の就職に関する個人的なボランティア活動にもがんばってきました。この指導の結果として面接までたどり着き、就職先がみつかった人もいましたから、やるだけのことはやったと自負しています。ただ、これは結局のところ、他の人が就職できないということになるだけという側面もありますから、本当にそれでいいのかと自問自答するところもありますので、来年は少しセーブしようと思います。
 幸いなことに仕事には恵まれて、むしろ仕事の処理に追われた感がありましたので、新たに大杉弁護士に加入してもらうことになりました。ほっとするとともに、責任も感じています。いい弁護士に育ってほしいと思っていますので、皆様にもご指導ご支援をいただければ幸いです。
 それでは、皆様、よい年をお迎え下さい。

2013/12/27

66期の就職状況のまとめ

 66期については、裁判官の採用数が92名ということが12月26日に発表されたので、二回試験終了直後の就職状況は、以下のとおりに、整理されることになりました。就職先不明の数字は570名となってしまいました。私が初めて問題を指摘した58期の数字が27名だったことを考えると桁違いの数字になってしまっています。なお、このブログのシステムにタブの設定機能がないため、数字が少しずれてしまっています。申し訳ありません。
二回試験合格者 一斉登録弁護士 裁判官 検察官 就職先不明
平成24年  2080   1370    92   72    546
平成25年  2034   1286    96   82    570
増 減     -46   -84    +4  +10   +24
 就職できなかった人の数は昨年と比較するとそれほど増えていないと評価される方もおられるかも知れませんが、問題は、比率です。司法試験の合格者数はさほど減っていませんが、司法試験に合格しても、修習すらしないという人が年々増えているため、修習を終える人、すなわち、二回試験の合格者が減っているからです。上記の数字から二回試験の合格者に占める一斉登録弁護士の比率を算出すると、昨年が65.87%で、今年は63.23%と2.5ポイントも下げてます。同じように、就職先不明者の比率は、昨年の26.25%が今年は28.02%と1.8ポイントほど上がったということになります。裁判官と検察官の採用増で、一斉登録時点で弁護士にならなかった人の数は大きくは増えなかったものの、統計上も、就職状況が悪化している傾向には歯止めがかかっていないということになります。
 これに加えて、私の周囲から漏れ伝わってくる情報によりますと、いわゆるノキ弁や即独の増加傾向が顕著ですから、就職状況の悪化は更に深化していることになります。司法試験の合格は就職先確保を意味しないということが定着したことだけは確かなようです。これは、法曹志望者を量的にも質的にも減退させることになりますから、その最大の供給源である大学の法学部の不人気傾向に更に拍車がかかることは必至です。

2013/12/15

平成25年の請求退会者の統計

 今年最後の自由と正義が届きましたので、請求退会者の増加傾向について、まとめておくことに致しました。
 残念ながら、平成25年1月から12月号までに掲載された請求退会者は、私が統計を取り始めてから最大の数で320名となり、300名を超えました。昨年が294名ですから、26名の増加となります。500人合格時代の弁護士会入会者に近い人数が毎年弁護士をやめる時代となったことになります。
 このうち3万番を超える人が217名で、1万から3万未満の番号の人が103名、1万未満の人は17名ですから、登録後あまり期間をおくことなく、退会する人が増えていることになります。
 なお、以前にも紹介しましたが、60期以降の会員の数が上記の抹消数に応じて減っているわけではありませんから、登録と退会を繰り返している人がいることが強く推察されます。また、裁判官や検察官を退官した後に弁護士となったが、すぐに弁護士をやめるという人も増えているものと思われます。
 私の個人的観測では、60期以降の弁護士人口のピークと現在の人口は、以下のとおりです。既に、65期はピークが過ぎたように思います。ピークに達する時期が年々早くなってきているように思います。なお、65期は、一時期1,914名まで減少したのですが、最近になって微増しています。この現象にも、登録と退会を繰り返す人がいることが示されているように思います。
二回試験合格者数から   ピーク数とその時期   平成25年12月15日
任官者数を引いた人数 の弁護士人口
60期   2,145名    2,094名(24年5月下旬) 2,060名
61期   2,148名    2,122名(24年6月中旬) 2,083名
62期   2,162名    2,109名(24年3月中旬) 2,087名
63期   1,972名    1,925名(24年4月下旬) 1,890名
64期   1,983名    1,924名(25年2月中旬) 1,917名
65期   1,916名    1,858名(25年10月下旬) 1,857名

2013/11/27

ブラック企業ビジネス

久しぶりのブログです。最近、忙しいところに怪我もしたりして書く余裕がありませんでした。
さて、標記の表題の書籍を今野晴貴という人が執筆されていて(朝日新書)、この本の中に、私のブログが引用されているということで、書籍を送っていただきました。
参考になる本だと思います。主には、現在社会問題となっているブラック企業のことが紹介されていますが、その中で、ブラック士業ということでブラック企業の手助けをするような弁護士が増えてきていることが紹介されています。つまり、「司法改革」という名の下での弁護士急増政策が失敗している、というか、社会的な問題を発生させているということが紹介されているわけです。私のブログの引用は、若手の弁護士の廃業が増えているというデータの紹介でしたが、この本に紹介されているブラック士業と評価されて当然のような弁護士は、私自身も最近よく目にするようになってきていますから、この本に書かれていることは、誇張でもなんでもなく、むしろ、この本に書かれている以上に、弁護士業界の劣化は進んでいます。これは、極めて由々しき事態です。ブラック士業と評価されるような弁護士が就職難につけ込んで更に弁護士を雇い入れたり、即独などでOJTの機会に恵まれなかった弁護士がブラックな弁護士のやり方に接してそれが当たり前かのように思ってしまうなどして、ブラック弁護士の再生産が始まりつつあるように思うからです。
しかしながら、弁護士という仕事は、正義も重んじなければなりません。依頼者の言うことが間違っていたり、違法なことがあれば正す必要もあります。言うのは簡単ですが、結構大変な仕事です。従業員の研修をすることを進言したり、問題がある従業員の言動をみつけた場合には経営者に対応を求めたりなどもせねばなりません。そのことによって、経営者から暴言を受けたりすることもあります。それでもなかなか暴走を阻止することができなかったりもします。場合によっては、顧問自体を自主的に辞退することもせねばなりません。それでも、結果的に顧問先が暴走すれば、言われのない非難を同業者から受けたりすることもあります。
このように、弁護士たるものは、貧してでも正義を守らなければならないということは、まさにOJTとして先輩弁護士から引き継がれていたわけで、それによって日本社会のモラルの維持にも貢献できていたはずなのですが、過剰な弁護士人口の増加によって、その貴重なOJTの機会が失われつつあるわけです。この本に紹介されているように、その悪影響は既に発生してきているということになります。一部のマスコミは、そのことを無視して、未だに急増政策を支持するような論調を維持していますが、修習生や若手弁護士の現状の取材ができていないように思います。
なお、この本に引用されている弁護士の自主廃業のデータですが、残念ながら、更に悪化しています。具体的に言いますと、今年の1月から11月までの自由と正義に掲載された弁護士の廃業数は309名となり、昨年1年間での数字である294名を超えています。このうち3万番を超える人の廃業数は206名ですから、若手の弁護士の廃業が増えているのは統計的に裏付けられています。但し、私の独自調査によると、実際に大きく人数が落ち込んでいるのは、60期と61期ぐらいで(私がチェックした最高数が60期が2094名で61期は2121名でしたが、現状では60期は2059名と35名の減少、61期は2084名と37名の減少に留まっています。)、若い期の弁護士数が数百名減っているということにはなっていませんので、現実には、登録してしばらくしてから退会し、また登録するということを繰り返している人がかなりの数となっているようです。弁護士としての登録には登録料も必要ですから、登録の繰り返しは生活に直結する問題だと思います。このようにして、かなり厳しい経済環境に置かれた弁護士が増えているのではないかということが危惧されます。
いい本だと思いますので、皆さん、お読みいただきたいと思います。