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弁護士法人 白浜法律事務所

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2018/04/04

弁護士を自主的にやめる人が減ってきたようです

平成27年4月4日に60期以降の弁護士の人数をチェックしたときには大きな変動があったので、ブログにも書きましたが、同じように平成30年4月4日に人数チェックをしてみたところ、63期だけが突出して人数減となった他は、大きな変動はなく、弁護士をやめる人は減ってきたような印象を受けています。

具体的に言いますと、平成30年3月末と4月4日で人数に変動がなかったのが、60期(2,057人)と61期(2,060人)、62期(2,040人)です。急減したのが63期で1,836人が1,825人と11名の減です。微減が64期(1,880人が1,878人へ)と66期(1,775人が1,773人へ)、68期(1,556人が1,555人へ)、69期(1,574人が1,572人へ)です。逆に増えた期もあって、65期(1,824人が1,830人へ)と67期(1,722人が1,730人へ)、70期(1,378人が1,393人へ)が増えています。特に、70期は就職難が緩和されたと言われているように、裁判官や検察官の数から推計される最大可能値である1,431人からすると97.3%が弁護士となっていることとなり、他の期が達成したピーク比率にほぼ達したことになっています。

63期は、弁護士白書などから推計される最大人数が1,926人でしたので(私が実際に観測した最大人数は1,922人ですが。)、弁護士を自主的にやめた人がほぼ100人となったということになります。

63期ぐらいまでは、弁護士の仕事はいくらでもあるかのような話を信じて法科大学院に入学した人が多かったものが、65期ぐらいからは弁護士の就職環境が厳しいことが周知されてから法科大学院に入学した人が多くなっているものと私は推察しています。このように厳しいことがわかりながら法科大学院に入学した人は、弁護士になってからやめるという人は少なくなってきているということではないかなと思います。

もう少しでも司法試験合格者が減るということになれば、異常な供給過剰状態から脱して、弁護士の就職難も解消されることになるのかも知れません。ただ、合格者を減らすことは単年で実施するのではなく、しばらくは継続しなければならないということに注意が必要です。供給過剰時期に弁護士資格を得て今は弁護士ではないという人達が再度弁護士になるということができるということがあるからです。このことが、新人の就職状況に影響を与えて、資格試験としての魅力を落とし、志願者を減らすことになってしまうことは避ける必要があると私は思います。

2018/01/04

2018年新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。今年は、平成30年となりました。今年もよろしくお願い申し上げます。

年末に事務所のHPを一新しましたので、ブログのデザインが変わり、少しすっきりしたような感じになりました。肝心のアドレスも変わっていて、現時点では、検索してもみあたらなくなっているようです。誠に申し訳ございません。今、たどり着いてお読みいただいている方には感謝申し上げます。

ところで、私が、京都弁護士会の会長をしていた際には、個人的な発言がやりにくく、ブログの更新もあまりできませんでしたが、そのときの惰性なのか、昨年も、あまり更新ができておりませんでした。

このブログは、裁判制度の問題を指摘して、その改良を気楽に提案して、皆さんの反応をみてみようというところで始めたわけですが、期せずして、法曹養成制度の欠陥が露呈していく中、その政策転換のためのデータの提供ということを担うことになりました。この話題だけだと重苦しいところがあります。今年は、初心に返って、裁判制度や法制度の使いにくさとかその改善の提案なども書こうかなと思っています。

ところで、今年は、戌年です。京都は、寺社仏閣が沢山あるわけですが、子は大豊神社、亥は護王神社など、有名なところもある中、戌年にちなんだ神社を私はみつけることができませんでした。

昨年は、奥さんが探してくれた寺町鞍馬口の天寧寺の諌鼓鶏(かんこどり)を紹介しましたが、今年も奥さんが探してくれた鳴滝の三宝寺の子宝犬を紹介します。

三宝寺は、福王子の北、周山街道の入口近くにある名刹です。ペット霊園もあるようです。

これが子宝犬です。

灯籠には、なぜか小さいダルマが鎮座してます。

ここにも小さなダルマが並んでいます。

なお、三宝寺の正面は、こんな感じです。子宝犬は、奥の方にあります。

PS:狛犬というと、白浜事務所のご近所の下御霊神社(丸太町通の南に位置しながら上京区となっているらしい)の笑う狛犬も紹介しておきましょう。阿吽(あうん)の呼吸の語源とも言われるように、狛犬は、一方が口を開けているのですが、下御霊神社の狛犬はまるで笑っているようにみえるということで有名らしいです。京都の悪霊を鎮めるための役目を担っている神社ということですから、この笑い顔で悪霊を追い払うというところでしょうか。

2017/12/20

法科大学院の未修枠目標の撤廃などについて思うこと

 日経新聞の最新の記事によると、文科省としては、法科大学院の改革として、未修者3割の目標を撤回するということである(著作権などの問題があるので、引用は控える。)。要するに縮小するということなので、そのこと自体は、よいことのように思う。しかし、元々1年で法律の基礎を習得させるという制度設計自体に無理があったのであって、未修の枠を撤廃するというよりは、未修という制度そのものを撤廃した方がよいのではなかろうか。法的知識が不足している人も入学できるようにするとしても、3年かかって卒業する学生と2年で卒業することを予定する学生とに分けるぐらいにすべきであって、それぞれ、法的素養についても入学試験で審査するようにして、法的思考になじまないような人や法的素養が全くないような人までも法科大学院に入れるということではなくすようにするべきだろう。多様な人材を法曹界に確保するという目標があったとしても、法律家としての個別の事案分析や判断に問題があるような人材までも法曹界に入れるべきだというようなことではないはずだし、他の分野から参入したいと考えるような人達であれば、法律の勉強を全くしないままに参入できるなどと考える人はいないはずなので、このような改革が行われたとしても多様な人材が確保できないということにはならないはずである。現状で、他の分野からの法曹への参入が減っているのは、未修という制度に問題があるからではなく、弁護士を激増させすぎたがために、就職難や収入の激減などまで生じて、弁護士の職業的魅力が大きく減退したことが原因である。これは、需給調整をすればよいだけの話で、制度設計を大きく変える必要もない。
 なお、この日経新聞の記事によると、「未修者の質を確保して司法試験の合格率上昇につなげたい」との説明があったということのようだが、おかしな話のように思う。法科学院に求められているのは、優秀な法曹の養成であって、司法試験予備校のように司法試験の合格率を上げることではないと思われるからである。試験に合格さえさせればよいということでは困る。また、司法試験の合格率の問題は、個々の法科大学院の個別目標であって、司法試験全体としての合格率を安易にいじることはよろしくない。安易に合格率を緩めることは司法試験の選抜能力を引き下げてしまうことであり、優秀な人材の確保という点での問題が生じることになってしまうからである。未修という制度の下での未修者の司法試験合格率を高めようとすれば、法科大学院に入学させる時点での選抜を強化するか、あるいは、家庭教師のような個別指導に近い徹底的な指導強化しかないが、後者のような方式であれば、授業料等が相当高いものにならないと、採算に合わない制度となってしまう。いずれにしても、個々の法科大学院の努力目標であるべき司法試験の合格率の向上を、制度設計に関わる文科省が口にするのは、学校の先生が試験をやさしいものにしてしまいましょうかと言っているようなものだから、文科省が司法試験の合格率について言及するのはいかがなものかと思う。
 また、この記事の背景となっているものと思われる法科大学院等特別委員会(第83回)の配付資料中の「法科大学院等の教育改善について(論点と改善の方向性)(案)」の中に、「時間的負担軽減のため、法科大学院在中の司試験受験をはじめ、司法試験の在り方についても検討するべきではないかとの指摘についてどのよう考えるか 。」との指摘があったことが気になった。在学中に受験を認めるべきことは学生の立場からして当然のことであり、これを認めない制度設計そのものが欠陥なのだから、検討が行われたことは喜ばしいことである。ただ、これが時間的負担軽減のためと断定されているのはおかしいように思う。卒業後に司法試験を受けて、合格後に司法修習開始ということであれば、必然的に無職者を生み出すことになるという問題は極めて深刻な制度的欠陥であると私は思うのである。大学受験浪人であればまだ十代であるが、法科大学院の卒業生は二〇代後半となる人もかなりの割合となる。そんな時期に無職となること自体問題のように思う。アルバイトなども難しいはずである。自分が学生の親であるとすれば、どう思うのだろうか。採用する側としても、アルバイトなどしている時間があれば、さっさと修習を経て、実務に就いて、OJTに励んでもらいたいと思う。二十代半ばに無職となる時期をあえて設けなければならない制度設計とする理由は全くない。この問題は学生や保護者の立場に立って考えるべきことであろう。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/041/siryo/__icsFiles/afieldfile/2017/11/27/1398626_010.pdf

2017/12/18

2017年も弁護士の自主的廃業は大きくは減らなかった

 請求退会者、つまり、自主的に弁護士を廃業する人が増えていることについては、私のブログぐらいでしか取り上げていないようである。今年も自由と正義に掲載された請求退会者について整理してみたところ、昨年と比較すると若干の減少ということになった。つまり、自由と正義の2017年の1月号から12月号までに掲載された請求退会者の総数は358名となり、2013年の320名以来5年連続で300名を超える結果となった。ただ、昨年が367名だったことと比較すると9名の減少となり、微減とはなっている。ちなみに、現時点での請求退会者のピークは、2014年の374名ということとなる。このピーク時期は、67期の就職活動時期と重なることから、この頃の勤務弁護士の就労環境が極めて悪かったことを裏づける事実なのかも知れない。
 この統計上の数字だけをみて、弁護士の退会傾向が改善されたと言う方もおられるかも知れないが、弁護士激増政策が具体化されるまでは年間で50名にも満たない人数しか請求退会していなかったことを考えると、自主的な退会者の数は高止まりとなっているという表現の方が正確ではないかと思う。
 なお、私が行っている統計的分析は、その開始の時点で比較しやすいように、登録番号が1万に満たない人と3万以下の人、3万以上の人に分けるようにしているが、3万番以上の人が急増した結果、この分類では若干わかりにくくなってきた感がある。登録番号が1万に満たない人の死亡退会比率が増えてきている上に絶対数が減少していること、3万以下の人も死亡退会等による人数減少はあるものの増加はないということが分析をしにくくしている原因である。
 ただ、登録番号3万に満たない弁護士は、そのほとんどが急増とまでは言えない時期に弁護士になったわけであり、増加はせずに減少するだけということであるから、毎年400人にも満たない数しか弁護士にならなかった時代との比較は、この数の比較の方がわかりやすいかも知れない。そこで、登録番号3万に満たない弁護士の請求退会者(自由と正義の1月号から12月号までの掲載によるもの)を整理すると、2013年が103名、2014年が144名、2015年が98名、2016年が115名、2017年が105名と、100名を超えるような人数が自主的に廃業しているということになっているので、年間でも50名に満たない程度しか請求退会していなかった時代と比較すると、請求退会は倍増していると評価してよいと思われる。
 これに対し、登録番号が3万より大きな数字となっている弁護士は、比較的若い弁護士である確率が高いと言えるが(裁判官や検察官の退官者も含まれるため、高齢者も少なからずいるということではある。)、その請求退会者は、2013年が217名、2014年が230名、2015年が260名、2016年が252名、2017年が253名となっているので、2015年をピークとして改善の兆しはあるということになる。登録番号が3万より小さい弁護士が死亡退会により絶対数が減少している中、3万より大きな弁護士は、死亡する人の数より登録する人の数がはるかに多く、毎年毎年増えてきているために母数が大きくなっているから、同じような人数が退会しているとしても、退会者の比率は減っている、つまり、事態が若干は改善しているということが言えるためである。
 ただ、若い人が請求退会しているということは、転職しているということを意味するから、この人数が上記のとおりということは、若干の改善がみられるからといって、放置できるようなことではない。請求退会者が多いということは、弁護士の職業的な魅力がそれだけ減っているということであり、あまりに急激な数の増加によるひずみが弁護士業界に生じているということを示す統計データの一つということになるからである。